170年を超える万博の歴史で、初めてリアルタイムで宇宙と万博会場をつなぐライブイベントが行われました。
ISS(国際宇宙ステーション)3人目の日本人船長、大西卓哉宇宙飛行士。
10日夜、大阪・関西万博とISSをリアルタイムでつなぐイベントに登場しました。
万博会場から宇宙へとつなぐ壮大なウエーブ。
大分県の高校生や、イギリスの高校生の質問に答えたり、JAXA(宇宙航空研究開発機構)などの後援でISSの船外カメラから撮影された地球の様子を公開。
青く光る地球の水平線に迫る太陽など、神秘的な白夜の様子も中継されました。
宇宙を身近に感じてもらい、地球の未来や環境課題について考えるきっかけにしてほしいとの願いを込めて開かれた今回のイベント。
宇宙教育に力を入れる福岡県の柳川高校の生徒たちも参加し、ISSのプレゼンを担当しました。
参加したのは、万博会場に来た生徒だけではありません。
柳川高校からほど近い場所にあるグラウンドでは、大人数の生徒たちが集まって大掛かりな作業が行われていました。
そして、プレゼン本番では、ISSの大きさを体感してもらおうと、1300人の生徒がグラウンドにISSを再現。
「きぼう」の場所を生徒が手を振って示したり、太陽光パネルの大きさを表現するなどした様子をドローンで撮影し、中継で紹介しました。
ISSは、5年後の2030年に退役することが決まっています。
柳川高校の生徒:
この国境のない宇宙で、ISSはずっと地球を見守り続けています。その姿はまさに“平和の象徴”といえるのではないでしょうか。私たちは、この国境のない宇宙とISSを通して、世界が平和になることを望んでいます。
イベントの締めくくりは、大西宇宙飛行士と万博会場をつないだ記念撮影。
参加した柳川高校の生徒たちは…。
柳川高校3年・角田太志さん:
参加する前は宇宙って程遠くて、自分が行けるとか関われるレベルじゃないと思ってたが、この会を通じて宇宙って本当すごいなと思ったし、そんな遠くない、程遠くないと一番気付かされた。
柳川高校 古賀賢校長・理事長:
宇宙から地球を見るという違った視点が子どもたちには伝わったのではないかと思っていて、“地球を考える”という大切な時間になったのではないかと僕はすごく感じた。
イベントを主催した「KIBO宇宙放送局」運営、バスキュールの朴正義代表は、「僕は小さい頃に『スター・ウォーズ』『宇宙戦艦ヤマト』『銀河鉄道999』を見て育った。それで宇宙っていいなと思ったが、そういう存在になれるものを今生み出せると、とても価値のあるものになっていくんじゃないか」と話しました。