福井・敦賀市で、無人島「水島」の海開きが15日に予定されていたが、唯一の運航会社が新たに購入した船の国交省の許可取得が間に合わず運航延期となった。

この記事の画像(13枚)

旅館は夏のかき入れ時の海開きの延期に、影響は大きいと話し困惑している。

旅客船の運航許可取れず…運航延期に

高い透明度の海に白い砂浜が魅力的なビーチ、まるで南国のようなこの場所は、福井県にある「北陸のハワイ」と呼ばれる島だ。この島は15日、海開きとなるはずだった。

周辺の旅館の人:
予定通り運航してほしいです。水島が全てなので。

肝心の島に行くことができないという。

「北陸のハワイ」と呼ばれているのは、福井・敦賀市の敦賀湾に浮かぶ無人島の「水島」だ。

周囲が約800mの小さな島で浅瀬でもたくさんの魚を見ることができ、夏には家族連れなど毎年約2万5000人の海水浴客が訪れる人気の海水浴場となっている。

9日、敦賀市では今年一番の暑さとなる最高気温36.2℃を観測し、2025年初の猛暑日となった。

本格的な夏の到来を告げる暑さとなる中、水島では15日に今シーズンの海開きを迎えるはずだった。

取材班:
15日から無人島・水島への旅客船の運航が予定されていましたが、延期され開始日は未定となっています。

島に通じる唯一の旅客船の運航が、延期される事態になっている。

水島への旅客船を巡っては去年、運航会社の近江トラベルで船体に亀裂や浸水があったにも関わらず乗客を乗せて運航を続けていた問題が発覚し、会社らが略式起訴された。

近江トラベルでは、5月下旬に新しい船を購入し、従来からあった船との2隻体制になった。再発防止に努めた上で、海開きを迎えるはずだった。

しかし、購入した船については国交省からの運航許可が間に合わず、運航の延期をせざるを得ないという。

「本当に困る」一番のかき入れ時を直撃

6月25日には、地元の住民らが水島で清掃活動を行うなど、海開きに向けて準備を進めていた。

参加者:
水島が綺麗になって、来てくれる人が多くなればいい。敦賀の魅力を知ってもらいたい。

海開きまで1週間を切った中での延期に、近くで旅館を構える人からは悲痛な声が聞かれた。

周辺の旅館の人:
延期どころか分からないという話だから、本当に来てもらえないと本当に困ります。この夏だけで、1年くらい過ごすくらいの売り上げなので。

旅館にとっては海開きのシーズンが、一番のかき入れ時だった。

周辺の旅館の人:
水島が全てなので。それでなんて言ったらええんかな…出てこないや言葉が。

別の旅館はイット!の取材で、船の運航延期を知ったという。

ビーチコンバーオーナー:
今日初めて知ったのでお客様も知る由もないし。水島目的でお客さんいらっしゃるので、それがないと打撃は大きい。影響は大きいです。

「北陸のハワイ」の海開きを、多くの人が待ち望んでいる。近江トラベルは許可が下り次第、運航を始めたいという。
(「イット!」7月9日放送より)

この記事に載せきれなかった画像を一覧でご覧いただけます。 ギャラリーページはこちら(13枚)