おととしの選挙で実態のない人件費を収支報告書に記載し、日本維新の会から処分を受けた西田薫衆議院議員。
きょう=9日、出納責任者だった男性が虚偽の説明で名誉を傷つけられたとして西田議員を刑事告訴しました。
告訴状を提出した男性は、関西テレビの取材に次のように答えました。
【元出納責任者の男性】「自分の身を守ると申しましょうか…政治家さんの世界はですね『秘書さんが、秘書さんが』とか会計責任者の方になすりつけるというケースをよく耳にしていたので」
■おととし出馬の大阪府議選で「実態ない人件費」を収支報告書に記載
告訴の発端となったのは、西田議員の収支報告書をめぐる疑惑です。
おととし、大阪府議会議員選挙に出馬した西田議員。
その際の『選挙運動費用収支報告書』には、守口市内の男女9人が選挙カーの運動員や、事務所の事務員として従事し、西田議員が合わせて79万円を支払ったと記載されています。
しかし、報告書に記載された9人は実際には運動員として従事しておらず、報酬は支払われていませんでした。
実態のない人件費が収支報告書に記載されていたのです。
【日本維新の会・西田薫衆院議員】「本当に申しわけございませんでした」
■「ボランティアという認識で参加も空白の領収書にサインを求められた」証言も
さらに名前を記載された1人は「無償のボランティアという認識で参加していたが、空白の領収書にサインを求められた」と証言しています。
【報告書に“事務員”と記載された人】「議員本人から、『印鑑持って来てくれ』ってことで、目の前に用意されて。もしかしたら怪しいことに使われてしまうんじゃないかなと思ったんですけど」
■収支報告書 ”出納責任者がボランティアに一任”
しかし、西田議員は会見で、あくまで『スタッフのミス』だと釈明しました。
【日本維新の会・西田薫衆院議員】「収支報告書を作成していただい方々はボランティアの皆さんで、中には初めて収支報告の作成に携わった人もいました」
(Q.見方によっては辻褄合わせにみえるが?)
【日本維新の会・西田薫衆院議員】「私は選挙の収支報告は修正・訂正できないという認識だったんです。皆さんには、『収支報告書に記載されていますので、人件費をお支払いする』というのがすべてなんですね。辻褄合わせといいますか、そうではなく」
さらに、スタッフに報告書の作成を任せたのは西田議員ではなく、当時の出納責任者だったと説明しています。
(Q.出納責任者の方がそのボランティアの方に一任されていた?)
【日本維新の会・西田薫衆院議員】「もう常に、そういった形で一任をいただいておりました」
■元出納責任者「虚偽の説明だ」と反論
これに対し、出納責任者だった男性は、「虚偽の説明だ」と反論しています。
(Q.ボランティアの人に、出納責任者が一任していたという説明があったが?)
【元出納責任者の男性】「全くございません。これは全くございません」
元出納責任者の男性がボランティアに記載を一任した事実はないというのです。
さらに、そもそも収支報告書に署名・捺印されることを許可しておらず、勝手に名前を使われたと主張。
【元出納責任者の男性】「もちろん私は書いていませんし、ハンコもわたしのハンコではありません」
元出納責任者の男性は西田議員が虚偽の説明をし名誉棄損の疑いがあるとして告訴状を提出しました。
【元出納責任者の男性】「どういう形でああいうのを作成したかというのは全く私自身は知らない、わからない。なぜそういうことを、そういう流れに持って行ったのか真意は聞いてみたいですね」
■西田議員「名誉棄損するものではない 捜査なされるなら誠実に対応」
西田議員はさきほど、関西テレビの取材に対し、「出納責任者の方に責任があるとの趣旨の発言はしておらず、名誉を棄損するものではありません。今後、捜査がなされることになりましたら、誠実に対応してまいります」とコメントしています。
■ジャーナリスト鈴木氏「説明責任を果たしていくということしかない」
番組コメンテーターのジャーナリスト・鈴木哲夫さんは、西田議員に電話取材したことを明かし、次のように述べました。
【ジャーナリスト 鈴木哲夫さん】「この問題はもう、説明責任しかないので。電話でも話したけど、西田さんが何度も何度も、とにかく必要であれば、説明責任を果たしていくということしかないと。本人も『それしかないと思う』と言っていました」
今後、どのように説明がなされるでしょうか。
(関西テレビ「newsランナー」2025年7月9日放送)