雨がまったく降らない…。

ダム関係者:
これが一番ひどい状況。

深刻な水不足でダムの水位は低下。「恵みの雨」はいつになるのでしょうか。

斐伊川上流にある雲南市の尾原ダム。

田中祐一朗記者:
尾原ダムの現在の水面は大きく下がっていて、かなり多く土の面が目立っています。

満水時は草が生えているあたりまで水がありますが、現在は3メートル以上水位が下がっています。
貯水率は例年だと90%以上ですが、7月8日の時点で66%まで落ち込んでいます。

尾原ダム管理支所・栂野秀明所長:
雨が降っていないのと、梅雨が早く明けて夏のような天気が続いている。満水に比べると少ない。

6月27日の梅雨明けから7月7日までで、山陰両県のすべての観測地点では降水量がまったく記録されていません。
この先もダムへの水の流入が見込めない中、尾原ダムを管理する国交省出雲河川事務所は、ダムからの放流量を制限する「渇水調整」を7日から始めました。
この渇水調整により通常毎秒15.2トンの放流を30%減らします。
今後も水位が下がり、貯水率が65%を下回れば、さらに放流量を減らすということです。

尾原ダム管理支所・栂野秀明所長:
適度に雨が降ってもらって貯水が回復すればと思っている。

また浜田市の三隅川上流にある御部ダムも深刻な状況が続いています。
8日朝の時点での貯水率はわずか5%。
この時期は、洪水に備えてもともと水位を下げていますが、それを差し引いても水量が少ないといい、管理する島根県は7日から渇水調整に入ったほか、水力発電での発電も停止しました。

島根県浜田県土整備事務所・高麗順一課長:
川に生息している魚、昆虫、それから農業に必要な水の供給が絶たれてしまう恐れがある。

ただこの取材中に、島根県西部の山あいで雨雲が急激に発達。ダムにとっては「恵みの雨」かと思われましたが…。

御部ダム管理事務所:Q雨が降ってきたが?
この雨くらいでしたらもう1週間か2週間くらい降り続かないと回復は見込めない。

一時的な「通り雨」では根本的な水量の回復は見込めず、まとまった雨を期待しています。これから本格的な夏を迎える中、懸念が強まる「水不足」。
今のところ山陰両県で直ちに「取水制限」や「給水制限」に入るダムはありませんが、しばらくは「恵みの雨」を待つ日が続きそうです。

8日午後は、厳しい暑さの一方で、島根県西部を中心に局地的に猛烈な雨が降りました。午後6時の時点で邑南町に大雨・洪水警報が発表されています。
雨雲の動きを見ると、午後から中国山地沿いに急激に雨雲が発生しました。
邑南町では、午後4時半までの1時間に約110ミリの猛烈な雨が降ったと見られます。
邑南町では、落雷により一時最大約520戸が停電したということです。
また益田市匹見では、アメダスによる観測で1時間に51.5ミリの非常に激しい雨が降りました。8日夜のはじめ頃にかけて局地的な激しい雨に警戒して下さい。

山陰地方は12日ごろまでは概ね晴れる予想ですが、13日以降は不安定な天気となる見込みです。
極端な天気ではなく適度な雨で水不足の解消につながってほしいところです。

TSKさんいん中央テレビ
TSKさんいん中央テレビ

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