“地下神殿”と呼ばれる洪水防止施設を世界的人気ゲーム「マインクラフト」でバーチャル再現。
国交省の河川事務所などによるこの取り組みが、人材難に直面する建設業の助けとなるかもしれません。

帝国データバンクによりますと、2025年上半期の建設業の倒産は986件で2024年の同じ時期を上回り4年連続で増加。
物価高による資材高騰の影響や職人などの人手不足が大きな要因です。

そうした中、国交省の各事務所が目を付けたのが人気ゲーム「マインクラフト」。

様々な立体ブロックを組み合わせて自分の好みの空間を作って遊ぶことができる幅広い世代に人気のゲームで、世界での累計販売数は3億本以上を誇ります。

2025年4月には日本で実写映画も公開され話題となりました。

この「マインクラフト」を使って、国交省関東地方整備局江戸川河川事務所が再現したのが「首都圏外郭放水路」。

洪水を防ぐために建設された世界最大級の地下放水路をバーチャルの世界で見学できるように作られました。

このほか、関東地方整備局の荒川調節池工事事務所は「マインクラフト」で「荒川調節池」の3Dモデルを作成。

また、北陸地方整備局は新潟県を流れる信濃川の「大河津分水路」を再現しました。

四国地方整備局がSNSで公開し100万回以上閲覧された画像には、測量作業を行う職員のそばに「マインクラフトのワールドデータを作成しています」と書かれた看板があるのが分かります。

測量していた場所は香川県にある「国営讃岐まんのう公園」。
こうして取ったデータを使って公園の一部が「マインクラフト」で再現されました。

公園の様々な場所を「マインクラフト」のブロックデータに変換。
フードエリアも再現されています。

これらのゲームデータは各事務所のホームページで公開されていて、データをダウンロードすることで遊ぶことができます。

こうした各事務所の取り組みには共通した思いがありました。

四国地方整備局香川河川国道事務所 公園課長・淀宏治さん:
近年、建設業の担い手不足が深刻化しているという背景があり、こういった三次元の技術を使ったゲームを通じて、将来の担い手である若い世代に対して建設技術に興味を持ってもらいたいという思いでゲームデータの公開に至りました。

「マインクラフト」の活用が建設業の将来の担い手を増やすことにつながるかもしれません。

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