北海道日本ハムファイターズの2軍の本拠地移転の正式発表を受けて、北海道では誘致合戦が熱を帯びている。
一方、現在本拠地がある鎌ケ谷のファンからは「寂しい」「強くなるなら」と、さまざまな声が聞こえてきた。
ファイターズの2軍本拠地移転が発表
「僕らは北海道に恩返しをしたいと、そこがベースになってますんで、一生懸命やりますので、よろしくお願いします」(ファイターズ 栗山英樹CBO)
「地域にとっては非常にインパクトを与える、そういうものになるんじゃないかと期待している。サポートチームを7月7日に北海道庁に作りますんで、連携していければなと思っています」(鈴木直道北海道知事)
7月7日に発表された2軍本拠地の北海道移転を受け、サポートを約束した鈴木直道知事。

一方、7年前、ボールパークを北広島市に誘致した上野正三市長は、市長選で6回目の当選を果たし、7月7日朝に初登庁。
2軍本拠地の札幌圏の移転について期待を示した。
「ファイターズがもたらす経済効果、道民の皆様に夢や希望を与えてくれる。これが2軍が来ると、さらにその想いが道民に広がると思っていまして、期待しております」(上野正三市長)

各自治体で激化する誘致合戦
そして、誘致に向けた自治体の動きは早くも熱を帯びている。

北広島市の隣、恵庭市です。駅前の商店街が2024年10月、いち早くチラシを作り、2軍誘致の名乗りを上げた。
「本当に来てほしい」(恵庭駅通商店街 伊藤富美子さん)
「2軍の方がむしろ出入りが多かったり宿泊があったり、経済的効果が逆に期待される」(恵庭駅通商店街振興組合 行澤勇理事長)
「盛り上がると思う。仕事を休んで応援に行く」(恵庭駅通商店街 逸本英寿さん)

ラピダスの建設ラッシュに湧く千歳市では…
「ラピダスもあるから人が増えそうで怖い。でも来たらうれしい」(千歳市民)
球場などの候補地を独自に予想する市民も。
「(球場の場所は)元レラのところ。その辺を使うことになるんじゃないかな、こっちにくるんだったらね。土地いっぱいあるよ」(千歳市民)

江別市では誘致の実現に向けた期成会が立ち上がり、署名活動などを進める方針を確認した。
「非常に嬉しいなと思っております。日本ハムファイターズが来ることに対して具体的なメリットがあるのか。そしてマチの将来にどれだけの大きな活力をもたらしてくれるのか」(江別・Fファーム誘致期成会 下畑英二事務局長)

鎌ケ谷のファンの声は
誘致への熱が高まる北海道内の各自治体。
一方、2軍が去ることになる鎌ケ谷では―
「試合日ということもあり、2軍の本拠地・鎌ケ谷には多くのファン移転報道を受けてどう感じるのか」(八木隆太郎フィールドキャスター)

千葉県・鎌ケ谷市にある「鎌ケ谷スタジアム」。
開業から28年、「鎌スタ」の愛称で親しまれていて、この日も大勢のファンが詰めかけていた。
「移ってほしくないですね。選手近いですし、声かけやすいですし」
「親心ですね。一軍へ送るために一生懸命声援送って、一軍で活躍すると、なんかすごい応援してたっていうのを実感する」
「ちょっと寂しい気もしますけど。でも元々、北海道のチームで、チームがそっちの方が都合がいいんであれば、それはそれで仕方がないのでそれでも応援続ける」
「移転しても、何かしらの形で残ってくれたらいいなと思います」(いずれも鎌ケ谷のファン)
28年間、鎌ケ谷で紡いできた「ファンとの絆」。チームが強くなることに理解を示す一方、寂しさも感じていた。

ファイターズファンの店主が営む中華料理店
鎌スタから車で5分ほどの中華料理「東新軒」。

壁にはファイターズの選手のサインやグッズが飾られている。

店主の新川雅久さんは20年来のファイターズの大ファン。選手の名前がついたメニューを作ってしまうほどだ。

「鎌ケ谷の財産だと思うんで、なくなってしまうと寂しいですよね。東新軒に食べに来てくれたり、出前とってくれたり、そうしていた選手が活躍して1軍に行くと、そういうのを嬉しく思いながら応援してきました。私も2024年、2023年とエスコンフィールドに野球を見に行って、こういう北海道の良い環境で2軍の球場ができるならば、すごくいいと思いますし、楽しみと残念と複雑な気持ちです」(東新軒 新川雅久店主)

2軍移転の表明を受けて、鎌ケ谷市の芝田裕美市長は「やむを得ない部分があるのは理解していますが、私としては、今回の移転意向表明を受け、大変残念で寂しく思っています」とした上で、今後も球団との長い歴史を踏まえて連携は継続していくとコメントした。
札幌圏への移転で、どうチームの強化と街づくりが進むのだろうか。
