アメリカ・ワシントンで、イーロン・マスク氏が新党「アメリカ党」結成を表明し、2026年の中間選挙に向けて候補擁立を模索している。トランプ大統領は「第3の政党はこれまで成功したことはない」と批判し、混乱を招くと警告した。

マスク氏新党‟アメリカ党”結成表明…共和党が揺れる

イーロン・マスク氏の新党について、トランプ大統領は「楽しんでやるのは構わないが、ばかげていると思う」と非難した。

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アメリカのトランプ大統領は、マスク氏が結成を表明した新党の「アメリカ党」について、「第3の政党はこれまで成功したことはない。混乱を招くだけだ」と批判した。

また、その後もSNSに「マスク氏が道を踏み外していくのを見るのは悲しい」と投稿した。

マスク氏は2026年の中間選挙を見据えて新党からの候補者擁立を模索する構えで、擁立となれば、トランプ氏にとって痛手となる可能性もある。

中間選挙で議席獲得へ…トランプ氏けん制か

ここからは、SPキャスター橋下徹さんと解説する。

青井キャスター:
イーロン・マスク氏が新党「アメリカ党」の結成を表明しました。最近では、トランプ大統領肝いりの大型減税を含む法律に財政悪化を招くと繰り返し批判してきましたが、今回の新党結成は2026年(11月)の中間選挙で議席獲得を目指して、トランプ氏や共和党を牽制していくと見られています。

そもそもアメリカの連邦議会は、上下両院とも与党・共和党と民主党との議席数が拮抗しているので、イーロンマスク氏のアメリカ党が「第三の党」として数議席でも獲得すれば、キャスティングボートを握る可能性もあります。橋下さん、今回の新党結成どう見ますか?

SPキャスター橋下徹さん:
面白いですね。もう本当に自分の国のことじゃないんだけれども、注目しちゃいますよね。

青井キャスター:
何か勢いが出てくるとか、注目が集まるという意味でですか?

SPキャスター橋下徹さん:
元々トランプ氏とマスク氏は大喧嘩して、マスク氏の方が完敗しているんですね。補助金止めるぞっていう風に言われて。ここでマスク氏が黙っていない。ここが民主主義のルールに則って選挙で戦う、やり返していく。ここで注意しなきゃいけないのは、マスク氏が政権を取るとか、何か台頭を取るというわけではなく、青井さんが言ったキャスティングボードを握っていくというところです。

青井キャスター:
SNSじゃなく選挙で戦うんだということを見せていくわけですね。この新党結成にアメリカメディアはこう言っています。

ニューヨーク・タイムズは、新党結成が2026年の中間選挙に影響を与えうることを指摘していて「億万長者の影響力を試す大規模かつ挑戦的な取り組みとなる」と報じています。ワシントン・ポストは「すべてトランプ氏との確執でトランプ氏の遺産を沈めようとしていることだと思う」と言っているわけです。CBSは「地球上で最も裕福な人にとってさえ困難な仕事」 と言っています。

宮司愛海キャスター:
各紙懐疑的な見方をしているところが多い印象ですが、マスク氏の本当の狙いはどんなところにあると思いますか?

SPキャスター橋下徹さん:
やはりトランプ氏との喧嘩が、一番根っこだと思います。ただトランプ氏を僕は政治的に評価してる部分は沢山あるんですけども、トランプ氏はやり過ぎなところがいっぱいあって、今の共和党では止められないんですよね。だからこそマスク氏が数議席、上院では3議席4議席で、下院でも10議席ぐらい取るとトランプ氏の共和党過半数が維持できなくなって、マスク氏の意向で止めることができる。

まさに少数与党の今の日本の現状と同じようになって、日本の現状も少数与党になり野党の声が反映するようになったじゃないですか。そこをマスク氏は戦略的にどこが勝てる選挙区なのかを企業経営者の目で見ていって、挑戦していくというのを僕は大いに注目しています。

宮司キャスター:
選挙区を区切って戦っていくって話してますが、どれくらい当選する確率ってあると思われますか?

SPキャスター橋下徹さん:
確率はホント分からないんですが、ただアメリカの世論調査を見ると、アメリカも2大政党制ではありますが無党派層が約3割います。それをうまく戦略的に掬っていけば、上院での3議席、下院での10議席ぐらいは行く可能性があります。そうなると大きくアメリカの政治は変わります。だからトランプ氏は焦ってるんですね。

トランプ氏が、この後どう動いてくるかも注目していきたい。
(「イット!」7月7日放送より)

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