人口減少が急速に進み、診療所や公共交通機関の維持が課題となる中、秋田市で7日、公民館を活用したオンライン診療の実証事業が始まりました。

実証事業が行われたのは、秋田市雄和萱ヶ沢地区です。この地区は由利本荘市との境界に位置し、多くの住民が利用する病院までの公共交通機関はなく、車で20分ほどかかります。

こうした地域の住民が受診しやすい環境を整えようと、秋田大学医学部付属病院と秋田県医師会が連携したオンライン診療の実証事業が7日から始まり、早速93歳の男性が利用しました。

会場では、待機していた看護師が男性の体温や血圧などを測定し、患者の情報を共有するシステムに入力します。そして、医師がカメラ越しに患者の状態を確認します。

医師:「体調は大丈夫ですか?問題ないですか?」
患者:「このごろの暑さで外に出ない。きょうはちょっと草刈った」
医師:「あんまり無理してやると熱中症になるから気を付けて」

一時、通信が乱れる場面もありましたが、対面での診察と変わりなく対応できたということです。

オンライン診療を体験した男性は「いいな。特別悪くなった場合は別として、平常の通院・診察がこれでできればいい。冬期間は特にいい」と利便性を感じている様子でした。

秋田大学医学部付属病院と県医師会は今後、月1回程度のペースで萱ヶ沢地区でオンラインによる診療や健康相談を行ってノウハウを蓄積し、県内全体に取り組みを広げることを目指します。

秋田テレビ
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