トカラ列島で地震が相次ぐ中、7年ぶりに噴火が発生しているのが霧島連山の新燃岳。
宮崎県と鹿児島県にまたがる火山です。

ふもとの町は、火山灰で白く染まり走行中の車の視界はさえぎられていました。

番組は、普段なら多くの観光客でにぎわっている街を緊急取材しました。

連続噴火が始まって11日目、新燃岳には噴火警戒レベル3の入山規制が敷かれています。

取材班が向かったのは鹿児島・霧島市にある新燃岳の登山基地・高千穂河原。
この週末登山客の姿はありませんでした。

まるで雪のように舞う火山灰。
大量に積もった灰が風で巻き上がると視界は、辺り一面真っ白になり周囲の草や木はもちろん看板までが灰まみれです。

真っ白な灰が積もった駐車場は、普段なら見える白線が全く見えない状態です。

登山客も「(駐車場は元々白い?)これ灰です、灰が積もっちゃって。先週はこんなふうに全然なっていなかった。登山道もずっと灰が積もっていてすごかった、上まで」と灰の多さを実感していました。

噴火の影響により、新燃岳の登山道は閉鎖されています。

通行止めを知らずに来た観光客:
こっちから行けると思ったけどダメだった。

異変は人気観光スポット・丸尾滝にも及んでいます。

エメラルドグリーンに輝いているはずの滝の水は、火山灰で灰色に変色。

新燃岳の降灰にともない、川から水を引く田んぼでは用水路を一時的に止める措置を余儀なくされました。

森正幸前田水利組合長:
(Q.灰色のセメントを溶かしたような水の流れ?)非常にショックでやっと田植えが済んで、農家は水が一番欲しい時期で、これがどのくらい続くのだろうと心配した。

新燃岳の噴火は、観光面で大きな打撃となっています。

お土産物店などが軒を連ねる霧島温泉市場。
普段は行列ができる人気の足湯に観光客の姿は見られません。

更に市場内の飲食店はというと、書き入れ時のランチタイムに閑古鳥が鳴いていました。

霧島温泉市場 とろろ亭・北田代淳子店主:
(Q.お客さんは?)来ない来ない。お客さんが来ないから大変。ここまでの影響はなかったんだけど、今回の噴火ですごい影響を受けている。

温泉地として知られる霧島市。
旅館では火山灰を洗い流すなどの作業に追われていました。

先週、長時間にわたって降り続けた火山灰の影響で露天風呂を休止していました。

おやど花みずき・福留啓介代表:
前回の噴火と比べると灰の細かさが違う。(今回は)粒子がすごく細かくてチョークの粉みたい。

今回の火山灰は粒子が細かく、洗い落とすのに通常の倍以上の時間がかかるといいます。

この旅館では新燃岳が噴火して以降、キャンセルが50件近くにまで増加。

それでも噴火が続く中できる限り普段と変わらないサービスで客を受け入れていく考えです。

おやど花みずき・福留啓介代表:
いつ終わるのかという不安はある。私たちは(新燃岳の)恩恵を受けて営業しているので、ずっと付き合っていかないといけない。ただその時やれる事をやる。

気象庁は新燃岳の火山活動は活発な状態で経過しているとして、火口からおおむね3kmの範囲では大きな噴石などに警戒するよう注意を呼び掛けています。

鹿児島テレビ
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