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プレスリリース配信元:Indeed Japan株式会社

転職・副業など社外に目を向けた行動を始める人も2割超 ※

※いずれも、2025年春闘結果や賃上げの動きを認知している人を対象とした割合

世界No.1求人サイト(*1)「Indeed (インディード)」の日本法人であるIndeed Japan株式会社(本社:東京都港区、代表取締役:淺野 健、https://jp.indeed.com 以下 Indeed )は、20代~50代のフルタイム勤務の正社員(*2)1,000名を対象に、「春闘や賃上げの動きによる意識・行動調査」を実施しました。

2025年の春闘では、平均賃上げ率が5.37%と過去30年以上で最高水準(*3)となり、大手企業を中心に初任給の引き上げや月額賃金のベースアップなども相次ぎました。一方で、2024年の実質賃金は3年連続で前年を下回り、2025年も4月まで4か月連続でマイナスとなるなど(*4)、物価の上昇に賃金の伸びが追いついていない現状や、物価高そのものへの懸念も見られます。こうした社会的な動向がある中で、日本の労働市場に大きな影響がある春闘の結果は、労働者が自身の待遇やキャリアを見直すきっかけともなり得ます。

そこで Indeed では、全国の20歳~59歳の正社員を対象に、春闘の結果や賃上げの動きを受けて、自身のキャリアにおける意識・行動がどう変化したのかを調査するとともに、春闘の結果が内部労働市場・外部労働市場にどのような影響を与えうるかを調べました。

■ 調査結果 主要ポイント
- 正社員の76.1%が2025年3月~5月にかけての賃上げの動きを認知し、43.2%は2025年春闘結果まで認知

<賃上げの動きを認知している人(*5)(761名)の意識・行動変化>
- 春闘の結果や賃上げの動きを認知している人のうち、79.8%がそれらの動きをきっかけに、自身の賃金やキャリア・働き方等について検討
- - 「勤め先における今後のキャリアパス(社内での昇進や昇格の道筋)」について考えた人は54.3%、「転職」について考えた人は47.3%にのぼる。

- 春闘の結果や賃上げの動きを受けて、40.4%が賃金・キャリア・働き方に関して行動を起こす   
- - 具体的に行動した内容は、自分の現在地の確認(給与明細、給与テーブル、人事制度の確認)を行う人が多く、33.6%にのぼる。
- - 一方で、24.3%が「転職活動を始める」「副業を始める・検討する」「世の中の給与水準を調べる」など勤務先の外に目を向けた行動を開始している。

<2025年春闘結果を知った上での、世の中の賃金動向への意識>
全体(1,000名)に、2025年3月時点での主な大手企業の春闘回答結果を示した上で、今後の世の中の賃金動向について聴取すると、
- 2025年春闘結果について、73.5%が「もっと企業は賃金をあげるべきだ」、73.1%が「インフレや物価高に比べて十分ではない」
- 春闘結果や賃上げの動きをふまえた今年の夏のボーナスへの期待は、「昨年よりも増えると思う」が27.9%と限定的。トランプ関税による夏のボーナスへの影響を懸念する人が多い(61.4%)


■ Indeed Hiring Labエコノミスト 青木雄介 コメント
「春闘の賃上げは一部の大企業にとどまり、企業のレピュテーションや広報的目的、政治的配慮によって動いているため、市場代表性に乏しく、必ずしも実際の労働需給を反映していないのではないか」という見方は少なくありません。確かにそうした側面は否定できませんが、今回の調査は、そのような見方では捉えきれない賃上げの波及効果の存在を明らかにしています。

調査では、春闘の結果や賃上げの動きを認知していた人の約4割が、勤務先の賃上げ程度にかかわらず、自身の賃金・キャリア・働き方に関する行動を起こしていることがわかりました。特に、現在の勤務先の外に目を向けた行動(転職活動、副業の検討・開始、他社の給与水準調査など)に動いた人の割合は無視できません。こうした動きは、労働者の期待形成を通じて外部労働市場を活性化させ、企業に対する賃金上昇圧力として作用する可能性があります。



Indeed Hiring Lab エコノミスト/青木雄介

実際、Indeed 上で観測される掲載求人賃金の上昇トレンドの一部は、春闘の賃上げ率に端を発する期待の高まりと、より高い賃金の検索、それに応じた求職者の行動変化(例:自発的離職率の上昇)に起因するものと考えられます。

似たような構造は、国際的な研究でも観察されています。たとえばUAW(全米自動車労組)による2023年のストライキが引き起こした賃上げは、他の非組合自動車メーカーの賃上げに影響を与え、かつ自動車産業に比べると軽微ではあるものの製造業全体における賃金交渉スタンスや賃上げ期待に影響を与えたと考えられています。オーストラリアでは労組の存在が非組合企業に賃上げ圧力をもたらしています。
加えて、春闘のような制度的・象徴的な賃上げが、「参照点」として機能し、労働者の行動を促す点は、伝統的なサーチ理論モデルとも整合的に見えます。

このことは、今後春闘がなければ賃金が上がらないことを意味しているわけではありません。インフレや労働市場の逼迫さに対応して、企業が柔軟に常に賃金を見直すことが市場の本来のメカニズムです。しかし、長らくデフレで、名目賃金の変化が限られてきた日本においては、少なくとも初期段階においては、春闘のような制度的イベントが、企業・労働者双方にとって「行動のきっかけ」や「期待形成の基準点」となった点で意義があったと言えるでしょう。

■ 調査結果詳細
・正社員の76.1%が2025年3月~5月にかけての賃上げの動きを認知し、43.2%は2025年春闘結果まで認知
日本の労働市場や賃金に大きな影響を及ぼす春闘ですが、日本の労働者のうち、どれくらいの人がその結果に着目しているのでしょうか。正社員1,000名を対象に、春闘の結果や、昨今の賃上げの動きについての認知度を調査しました。

その結果、「2025年3月~5月にかけての春闘の結果も賃上げの動きも、ある程度知っている」人は43.2%でした。また、「春闘の結果は知らないが、賃上げの動きはある程度知っている」人は32.9%でした。あわせて、76.1%が、昨今の賃上げの動きを認知していることがわかりました。

なお、本調査の対象者1,000名のうち、自社に労働組合があり2025年に春闘が行われた人は41.4%でした。




・春闘の結果や賃上げの動きを認知している人のうち、79.8%がそれらの動きをきっかけに、自身の賃金・キャリア・働き方等について検討
2025年春闘結果や賃上げの動きを認知している人(761名)を対象に、これらの動きを受けて、賃金・キャリア・働き方に関する意識・行動に変化があったかを調査しました。

最初に、2025年春闘結果や賃上げの動きを受けて、自身の賃金・キャリア・働き方等について考えたことがあるかどうかを尋ねました。その結果、何かしら考えたことがある人は79.8%と約8割にのぼりました。



考えた内容を見ていくと、最も多かったのは「自分の賃金」で69.0%でした。また、54.3%が「勤め先における今後のキャリアパス(社内での昇進や昇格の道筋)」について、47.3%が「転職」について考えたと回答し、あわせて63.3%が自社内外を含め今後のキャリアパスをどうしていくかについて検討したことがわかりました。また、38.3%は「勤め先におけるキャリアパス」と「転職」の両方を考えたと回答しています。「勤め先におけるキャリアパス」のみを考えた人は16.0%、「転職」のみを考えた人は9.0%でした。今後のキャリアの築き方について考えた人のうちの多くが、自社内外の両方を視野に入れて検討していることがわかりました。






・春闘の結果や賃上げの動きを受けて、40.4%が賃金・キャリア・働き方に関して行動を起こす
続いて、2025年春闘結果や賃上げの動きを受けて、自身の賃金・キャリア・働き方について行動を起こしたかどうかを尋ねました。その結果、40.4%が何かしらの行動を起こしたことがわかりました。年代別に見ると、年代が低いほど行動に移している割合が高く、20代では52.7%、30代は45.6%、40代は38.1%、50代は30.9%でした。春闘の結果や賃上げの動きを受けて、実際に行動に移した割合は20代が最も多い結果となりました。

「春闘の結果・賃上げの動きを受けて、何かしら行動した」は、賃金・キャリア・働き方に関する具体的な行動を12項目提示し、いずれかの項目で「春闘の結果や賃上げの動きを受けて行った」と回答した人を示す。「春闘の結果・賃上げの動きを受けては行動していない」は、賃金・キャリア・働き方に関する具体的な行動を12項目提示し、いずれの項目でも「行ったが、春闘の結果や賃上げの動きを受けて行ったわけではない」または「行っていない」と回答した人を示す。


具体的に起こした行動を見ていくと、「自身の給与明細(基本給・手当など)を確認する」(26.3%)、「勤め先の給与テーブル(賃金表)を調べる」(19.2%)、「自社の人事制度・評価制度を確認する」(17.6%)などの行動をとる人が多い様子がわかりました。これらの行動いずれかを起こした人は33.6%となり、3割の人はまず、改めて自分の置かれている現在地を確認したことがわかりました。

一方で、「世の中の給与水準を調べる(同業他社・近いポジションの人の給与を調べるなど)」(16.2%)、「副業・兼業を検討する/始める」(11.6%)、「転職活動を始める・進める(求人票を調べる、応募する、選考を受けるなど)」(11.2%)といった行動のいずれかを起こした人は24.3%となり、自社以外でのキャリア機会に向けて行動を始めた人は2割程度いることがわかります。なお、このように自社以外のキャリア機会に目を向ける割合は30代が最も多く、次いで20代に多い状況でした。30代では、21.1%が世の中の給与水準を調べ、14.9%が副業を検討し、14.7%が転職活動を始めていました。

また、割合は少ないながらも、自社内で賃金をあげるために会社や上司に宣言・相談するなどの行動をとった人も存在し、「上司に自身の給与について相談する」(10.2%)、「昇進の希望を表明する」(8.9%)、「異動の希望を表明する」(7.1%)で、いずれかの行動を取った人は16.5%いることがわかりました。



<2025年春闘結果や賃上げの動きを受け、具体的に起こした行動内容>
2025年春闘結果や賃上げの動きを受け、自身の賃金やキャリア・働き方に関して起こした行動内容を、自由記述で回答してもらった結果、以下のような回答がありました。一部を抜粋してご紹介します。
- 求人サイトで同じ職種・経験年数の人の給与レンジを検索し、転職市場の水準を確認した。また、自身の給与明細を見直し、固定給と手当の内訳を整理した。(20代・女性)
- ベアを行っているような会社に転職すべく、その一歩として求人サイトに登録した。(30代・女性)
- 転職をするべきかこのまま今の企業で勤めるべきか、家族と相談した。(20代・女性)
- ダブルワーク可能なところの求人検索を行った。(30代・女性)
- 管理職になるための研修に応募した。(30代・男性)
- 上司に昇進試験を受けたいと進言した。それに伴う勉強を始めた。(30代・男性)
- 会社で評価される資格の勉強を開始した。(20代・女性)


・2025年春闘結果について、73.5%が「もっと企業は賃金をあげるべきだ」、73.1%が「インフレや物価高に比べて十分ではない」と感じている
最後に、2025年春闘結果に対する、世の中の正社員全体の印象や、春闘の結果が与える影響について調査を行いました。本調査の対象者全員(1,000名)に、2025年3月時点での主な大手企業の春闘回答結果を提示し、春闘の結果について把握してもらった上で、所感を尋ねました。

その結果、2025年春闘の賃上げ率は不十分であると感じる人が大多数を占めることがわかりました。「(春闘の結果/水準よりも)もっと企業は賃金をあげるべきだ」と思う人は73.5%(「そう思う」(28.2%)「どちらかといえばそう思う」(45.3%)の合計)にのぼりました。また、「(春闘の結果は)インフレや物価高に比べて十分ではない」と思う人は、73.1%(「そう思う」(34.2%)、「どちらかといえばそう思う」(38.9%)の合計)にのぼりました。

一方で、「(春闘の結果は)日本社会にとって良い傾向だ」と思う人は66.0%(「そう思う」(15.1%)「どちらかといえばそう思う」(50.9%)の合計)、「(春闘の結果は)妥当な結果だと思う」人は55.2%(「そう思う」(8.5%)「どちらかといえばそう思う」(46.7%)の合計)と半数以上にのぼりました。

2025年の春闘では平均賃上げ率が過去最高水準となりましたが、賃上げの動き自体や賃上げ率の上昇傾向は歓迎しつつも、まだ実際の生活と照らしてみて不十分であると感じている人が多い様子が伺えます。



・春闘の結果や賃上げの動きをふまえた今年の夏のボーナスへの期待は「昨年よりも増えると思う」27.9%と限定的。トランプ関税による夏のボーナスへの影響を懸念する人が多い(61.4%)
調査対象者全体に、春闘の結果や賃上げの動きをふまえ、自分自身の今年の夏のボーナス(夏季賞与)が昨年に比べてどのように変化すると思うかを尋ねました。その結果、「昨年よりも増えると思う」は27.9%と3割弱にとどまり、過去最高水準となった2025年春闘結果を受けても、夏のボーナスへの期待は限定的な結果となりました。

また、2025年4月、米国が一部の輸入品に高い関税をかけると発表したこと(以下、トランプ関税)に関し、夏のボーナスへの影響を懸念しているかどうかを尋ねました。本調査を実施した5月時点では、トランプ関税による夏のボーナスへの影響を懸念している人は61.4%(「懸念している」(22.4%)、「やや懸念している」(39.0%)の合計)にのぼりました。






■「春闘や賃上げの動きによる意識・行動調査」概要
- 調査主体: Indeed
- 調査対象:現在就業中の20歳~59歳の正社員男女1,000名(2025年3、4月に勤め先で賃金の改定があり、かつ従業員規模が2名以上の企業に勤める正社員)
- 割付方法:2025年春闘結果と賃上げの動きについての認知度3区分(両方を認知・賃上げの動きのみを認知・いずれも非認知)×年代(20代・30代・40代・50代)4区分の計12セル
- 補正:正社員の性年代人口構成比(10歳刻み)にあわせて事前調査サンプルを補正。その後、補正後の事前調査サンプルにおける、本調査割り付けセルの構成比にあわせて、本調査サンプルの割り付けセル構成比を補正
- 調査方法:インターネット調査
- 調査期間:2025年5月15日(木)~2025年5月19日(月)

※構成比(%)、差分(pt)は小数第2位以下を四捨五入しているため、合計が100%にならない場合や、少数第1位までの計算とは数値が異なる場合があります。

*1:Comscore 2024年3月総訪問数
*2:2025年3、4月に勤め先で賃金の改定があり、かつ従業員規模が2名以上の企業に勤める正社員
*3:「2025春季生活闘争 第4回回答集計結果」(2025年4月17日 日本労働組合総連合会 発表)
*4:厚生労働省「毎月勤労統計調査」令和7年4月分結果速報
*5:「2025年春闘結果、ならびに賃上げの動きもある程度知っている人」と「2025年春闘結果は知らないが、賃上げの動きはある程度知っている人」を合計した総称


Indeed (インディード)について
Indeed は、最も多くの人が仕事を見つけている世界No.1求人サイト(Comscore 2024年3月総訪問数)です。 Indeed には、5億9,500万件の求職者プロフィールがあり、28言語で60か国以上の人々が Indeed で仕事を探したり、履歴書を投稿したり、企業を調べたりしています。 350万以上の雇用主が Indeed を利用して新しい従業員を見つけ、採用しています。詳細はhttps://jp.indeed.comをご覧ください。

※本プレスリリースは、以下からもご確認いただけます。
 Indeed Japan Press Room:https://jp.indeed.com/press/releases/20250704

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