宮崎市は、ごみ削減のため「生ごみ処理機器」の購入費補助を進めている。県民一人あたりのごみ排出量は全国平均より多く、処理費用も高額であるためだ。特に「生ごみ」に着目した。補助事業は予算上限に達し次第終了するため、早めの申請と対象機器の確認が推奨されている。

2023年度に宮崎県内で排出されたごみの量は36万2053トンで、県民1人あたり1日933グラム、約1キロのごみを捨てている計算になる。県内で排出されるごみの量は年々減少傾向ではあるが、1人あたりのごみの量は全国平均に比べ、82グラム多くなっている。
ごみの排出量が多いと、その分、処理にかかる費用も多くなる。宮崎市の場合、2023年度のごみの処理に約82億円かかっている。
「生ごみ」に注目した取り組み
自治体はごみの削減を推進しているが、宮崎市では特に「生ごみ」に着目した取り組みが進められている。

宮崎市は、生ごみを乾燥させたり微生物の働きで分解するなどして、減量化・たい肥化する機器を市内の店舗やインターネットで購入する際、費用の一部を補助する制度を行っている。2025年度の事業予算はおよそ400万円。電動の処理機の場合、最大1万5000円、処理容器の場合、最大5000円を補助する。

宮崎市環境業務課 鎌田友紀主幹:
燃やせるごみの約4割が「生ごみ」と言われていて、そのうち8割が「水分」と言われている。それを減らすということは、ごみ全体の減量につながると考えている。今からの季節は特に生ごみの匂いや虫が気になる他、鳥獣被害、猫の被害があるので、そういった被害がなくなるということもあるし、ごみが少なくなる。経済的にも優しくなるメリットがある。
生ごみ処理機器とは

30年以上前に無料のコンポスト支給から始まったこの事業。いまの形になったのは2024年度からで、初年度は287件の申請があった。

大きな生ごみ処理容器は「屋外型」で、畑など土に容器を埋めて使うもの。土の中の微生物の働きで生ごみを分解・たい肥化する。

新たに2024年度から補助の対象になった「バック型」の生ごみコンポスト。

中に専用の機材が入っていて、「生ごみ」を混ぜて使う。

宮崎市環境業務課 鎌田友紀主幹:
私自身も3年前に電動の生ゴミ処理機を購入して、家のごみを乾燥させている。匂いが本当に気にならなくなったのと、ごみが軽い!という感じ。ごみが軽いので高齢の方やゴミ出し場が遠い方にとっては非常にいいと思う。
事業は予算が上限に達し次第、申請の受付を終了するため、宮崎市では、早めの申請と合わせて、「購入しようとしている機器が補助の対象か問い合わせをしてほしい」と呼びかけている。
同様の補助事業は、宮崎市のほかにも延岡市や日南市、小林市などでも行われている。
(テレビ宮崎)