「復興 その先へ」と題し、西日本豪雨からまもなく7年を迎える倉敷市真備町のまちや住民、被災地の今をお伝えします。
7月3日は、豪雨で途絶えたイベントの復活を企画している住民たちの思いに迫りました。
西日本豪雨当日に開催される予定だった「金曜夜市」が実現 中心は28歳の人気うどん店の2代目店主
(まび金曜夜市実行委員会 川原涼さん)
「当日はここにキッチンカーが並ぶ。向こうにもずらーと並ぶ」
「ステージを組んでもらっていて、キッズダンスで小さい子が初めて出演する」
豪雨当日に開催される予定だった「夜市」が新たな形で7月4日に復活します。倉敷市真備町の人気うどん店「かわはら」。うどん店の2代目・川原涼さん(28)は有志で集まった「夜市」の実行委員会の中心的な役割を担っています。
(川原涼さん)
「店の裏にスーパーがあって、そこで土曜夜市をしていた、なくなったものをみんなで1つ、楽しいことを作れたらいいと始まった」
被災から3カ月で再開した店でうどんを食べる客の涙に…両親が営むうどん店の「継承」を決意
7年前の西日本豪雨で店は水に漬かり、うどんを打つ機械も使えなくなりました。それでも両親は、被災からわずか3カ月で店を再開。そんな両親の姿を見て涼さんは店を継ぐことを決めました。
◆2021年
(川原涼さん)
「災害の後に店を両親が開けた時に、うどんを食べて客が涙を流した姿を見て、「そうか、ここまで愛されてたのか」というのを見てから、しないといけないかなと決断した」
4年前に構えた新しい店舗で、涼さんは今、店をきりもりしています。まちが復興への道のりを歩む中、豪雨以降、途絶えたままのイベントが多いと話します。
(川原涼さん)
「僕らができることは、地域を盛り上げるイベントを作ったり、考えたりしていかないといけない」
地元住民の熱い思いは次々と…「金曜夜市」をきっかけに広げたい”ふるさと復興の夢”
6月30日、本番に向けた実行委員会の打ち合わせです。
(川原涼さん)
「向こうは道が狭いので、あまり交通量は多くないとは思うが、向こうから来てぶつかりそうな場合は機転きかせてもらって第2駐車場に左折、西側から来た人も左折スムーズに入れるようにとりまわしがどんなでしょうか」
集まったのは建設会社や信用金庫の職員など約20人。地元の人が参加できるステージイベントを予定していて、熱中症対策など事故がないことを最優先に計画しています。
全員が、店を継ぐと決めた時の涼さんのような、地元への熱い思いを持っていました。
(仲間たち)
「被災した時もいろいろな人が自宅の片付けやボランティアに来てくれたので。恩返しじゃないですけど」
「子供が楽しんでくれたらという気持ちだけ」
「祭りをきっかけに移住や創業が増えたらうれしい」
(川原涼さん)
「少しでも人のために、人がつながれる場所を作りたいとの気持ちは同じ。気持ちはずっと変わっていない」
「まび金曜夜市」は7月4日午後4時から。新たな絆を築く被災地の交流の場として復活を遂げます。