豪雨災害からの復興に人吉の若者の力が生かされています。球磨川のほとりで浸水被害を受けた水天宮の祠が新築されることになり、伝統建築を学ぶ球磨工業高校の学生が製作に取り組んでいます。

【西村勇気アナ・リポート】
「私の後ろにあるのが球磨川です。その護岸から7~8メートルの所、ちょっと小高くはなっているんですけれども、この水天宮まで当時、水そして泥が押し寄せたということです」

人吉市下新町。球磨川下りの拠点 『HASSENBA』のすぐそばに安産・子授け祈願で知られる水天宮があります。

【2023年にも一度修復工事】
2020年の豪雨災害では内部に土砂が流れ込むなどの被害を受けましたが、地元有志の働きかけでこのたび祠を新しく作り直すことになりました。

新築を担当するのは球磨工業高校の伝統建築専攻科。

宮大工を目指し、高校を卒業後さらに2年間かけて伝統建築の技術・知識を学びます。
【球磨工業高校 伝統建築専攻科 黒木光勝さん】
「実際自分も(豪雨の)被害にあった側ですのでいいものを作りたい」
「神様への気持ちも忘れず自分たちの技術向上のために作っていきたいと思ってます」

伝統建築のプロになるため業を磨く若者たちが自らの手で設計図を描きます。
この日は暑さの中、祠を支える重要な柱を削りだす工程に取り組みました。
【球磨工業高校 伝統建築専攻科 米村和真さん】
「自分が作ったものが形として残るのはうれしいことなので」
「被災された方々への気持ちも込めてしっかり頑張って作りたいと思います」

球磨工業高校によりますと、今年中に祠の形はほぼ完成する予定で、来年1月に設置・引き渡しと神事が行われるということです。

テレビ熊本
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