土地の相続税や贈与税を算出する基準になる「路線価」が7月1日、公表された。概ね同じ価値の路線ごとに決まる土地の価格、福島県内では都市部での格差がますます拡大している。
■福島県の路線価 郡山駅前通りがトップ
福島県内の「路線価」トップは郡山市の「郡山駅前通り」。東京の「銀座中央通り」と比較すると150分の1ほどではあるが、30年あまりにわたり県内最高値を維持している。
■上昇率トップはいわき駅前大通り
一方、成長が著しいのは…いわき市平のJRいわき駅前、新しいホテルが建設されるなどにぎわいを見せているが、通り自体も県内で初めて「ほこみち」に指定されるなど、新たなチャレンジもはじまっている。
県内で最も大きく上昇した「いわき駅前大通り」は、4月からは県内で初めて「ほこみち」に指定され、歩道での飲食店の営業や遊び場設置の基準が緩和。家族代々、駅前で店を営んできた北林由布子さんは今、大きな変化を感じている。「今までは歩って通過するだけの人達が多かったんですが、ほこみちで座れるものができたことで、滞在してくださる方々の姿を良く見るようになりました。そういう意味でも賑わいっていうのが、少しずつ生まれてるかなと感じはします」と北林さんは話す。
■都市部で二極化 会津若松市は下落
県中やいわきが好調な一方、顕在化したのは「都市部での二極化」だ。
平日正午を過ぎた神明通り。多少人通りがあるが、店を利用する人は少ない印象だ。辺りにはシャッターや空き地などが目立つ。
会津若松市の「神明通り」は、5年連続の下落…神明通り商店街振興組合の堂平義忠理事長は「中心市街地というのはその町で一番最初に栄えた所ですから、建物でもなんでも古いんです。一番古いんですよね。そこの部分を完全に解消しない限り、路線価がぐっとあがるとか、そういうのは期待できない」と話す。
課題は建物の老朽化。築30年以上にもなると、安全面から貸し出せないものも多く、新たな店舗の進出をはばむ。
■若い世代の発想力に期待
こうした中で、期待を寄せられているのが、若い世代の発想力。約2週間前、商店街の若者が中心となって開催したパンのイベントには、長い行列ができた。
イベントスペースなどを提供するSHAREBASE Aizuの高橋大介さんは「これからもイベントは開催するんですけど、そういったイベントとかあったらもっと盛り上がっていくんじゃないかなと思います」という。
大きなうねりだけでなく、住民発信のまちづくりも市街地活性化の力となることが期待される。