近畿地方の20地点で最高気温が35度以上の猛暑日を記録した30日。
ここ最近の「季節外れの猛暑」で、消防には非常に多くの熱中症疑いでの搬送要請が寄せられていました。
さらに屋外での仕事も多いUSJで、従業員を熱中症から守る取り組みを取材しました。
■まだ6月!猛暑日となった京都
6月30日、最高気温が36.8度。猛暑日となった京都市。
【記者リポート】「まだ午前中ですが、日傘がないと日差しが強くてかなりしんどいです」
(Q.きょう気温どうですか?)
【街の人】「暑いです。扇風機ないといけていけないです」
(Q.日差しどうですか?)
【街の人】「きついね。こたえます」
7月を前にすでに厳しい暑さとなっていますが、増えているのが熱中症です。
■去年の4倍 6月の熱中症の搬送者 緊迫の消防指令センター
大阪市消防局では、隊員たちが暑さに負けずに訓練に励んでいます。
そして、消防指令センターを覗いてみると…。
【消防指令センター】「はい、119番です。火事ですか?救急車ですか?」
119番通報が次々入り、緊迫した状況です。
【通報者】「倒れてるんですよ、意識もないんで」
【消防指令センター】「息していなければ、心臓マッサージが必要になります。両手を重ねて…声で出してやってもらっていですか?」
【通報者】「1、2、3、4、5、6、7、8、9、10…」
【消防指令センター】「反応ありますか?嫌がるそぶりはありますか?」
【通報者】「口から気泡が出てますけど、瞳孔が開きっぱなしです」
このセンターには、1日およそ900件の119番通報が入ります。
特に気温が上がる午後に増えるのが…。
【通報者】「学生が熱中症みたいな感じとは思うけど、意識がなくなってしまって。今もう意識というか、何も反応しなくて」
【通報者】「日陰で座り込んじゃって、『歩行できへん』って言ったんで、救急車呼ぼうかって」
【消防指令センター】「熱中症のような感じですかね?」
【通報者】「多分おそらく」
次々とかかってくる熱中症疑いでの搬送依頼。
さらに、小学校からの通報では…。
【消防指令センター】「授業中ってことですかね?」
【大阪市内の小学校教諭】「2時間目、3時間目との休みなんですけど、運動場でシャボン玉体験をしてました」
【消防指令センター 司令官】「先生からの通報でした。熱中症っぽい、吐き気があるとか、全身がしんどそうですっておっしゃってたんで」
大阪市消防局によると、去年は、6月の熱中症の搬送者は101人でしたが、ことしは、熱中症とその疑いも含め、400人以上になっているといいます。
【大阪市消防局救急部救急課 新庄亮友さん】「(熱中症になったら)まずは体を冷やすことが大切になってきます。わきの下や、体の動脈があるところに、アイスパックなど冷たいもので、体を冷却してください。それでも回復しない、意識がもうろうとしているときには、意識障害となりますので、119番の連絡をお願いします」
■7月から「びしょ濡れ」イベントで暑さを吹っ飛ばすUSJ
大阪市は34.4度と、ことし一番の暑さを記録。厳しい暑さでしたが、市内にはとーってもクールなスポットが…。
ユニバーサル・スタジオ・ジャパンでは、7月1日から始まる「びしょ濡れ」イベントで、暑さを吹っ飛ばします!
【クルー】「いかがですかー?」
【記者リポート】「ここだけ体感10度ぐらい下がったぐらい、めっちゃ涼しいです」
【クルー】「クールな気分で行ってらっしゃーい」
「熱中症ゼロ」を掲げるUSJ。パーク内には、いたる所にクールスポットが…。
■USJ“オアシス隊” 従業員1万5000人を熱中症から守る
さらに取材を進めると…。
【記者リポート】「何かタンクのようなものを背負ったスタッフの方が歩いています」
客ではなく、従業員に声をかける謎の2人組。その姿はあちらこちらに。彼らの正体は一体…?
謎を探るべく、取材班が6月28日、USJを訪れると…。
【オアシスプロジェクトリーダー 島田悠史さん】「おはようございます!きょうは気温が33度となっていますので、結構暑いです。私たちの体が崩れてしまったら、皆さんクルーに『オアシス』提供できないんで。きょうも1日お願いします!」
彼らの正体はUSJの特別部隊、「オアシス隊」!夏の3カ月間、従業員およそ1万5000人が熱中症にならないように、飲み物と塩分タブレットなどを配り歩きます。
【オアシス隊】「オアシス隊ですが、ドリンク大丈夫ですか?」
【クルー】「3つお願いします!」
【オアシス隊】「冷たい“おしぼり”と“塩分タブレット”も置いておきましょうか?」
【クルー】「ありがとうございます、すごい助かります!」
6月から法律が改正され、職場での熱中症対策が義務化されました。怠ると罰金などが科せらます。
USJでは、オアシス隊を例年より1週間、早めました。
【オアシス隊】「暑いでしょ~」
【クルー】「暑いね、いただきます」
(Q.こ飲料が配られると、結構違いますよね?)
【クルー】「気持ちも違います。このバッグ見るとうれしくなります。『こっち来て!』って感じです」
(Q.お味どうですか?)
【クルー】「ばっちりです!しみました!」
■オアシス隊も暑さに苦戦 適宜休みながら「ゲストに楽しさを還元したい」
しかし、オアシス隊も暑さに苦労しているようで…。
【オアシスプロジェクトリーダー 島田悠史さん】「めっちゃ暑いですね。上からの日差しと、下からの熱で、より暑く感じますね。しっかり飲まないと。次にむけてエネルギーチャージして」
密着した2時間、適宜、休憩を取りながら配り歩きました。
【オアシスプロジェクトリーダー 島田悠史さん】「ゲスト(客)に対して、楽しんでいただくのが一番だと思っています。そのために、私たちがクルーに対してケアするしかないので、私たちがしっかりケアすることで、ゲストに還っていったらいいと思います」
いよいよ、あすから7月。危険な暑さへの対策が必要です。
(関西テレビ「newsランナー」2025年6月30日放送)