30日放送の関西テレビ「旬感LIVEとれたてっ!」に小泉進次郎農林水産大臣が生出演し、最新の米5キロのスーパー平均価格が5週連続で下落したことを明かした。
また、街の人からの「輸入米に頼らないほうがいいのでは?」という質問には、「政府が輸入しているのではなく、国産米よりも安く売れるので、民間企業が輸入している。備蓄米を流して外国産米を食い止める」と述べ、国産米よりも安価になってしまっている輸入米の価格に対抗するため、備蓄米を流通させていると説明した。

■小泉農水相へ直球質問 米価格から備蓄米問題まで国民の声を徹底取材
小泉農水相の生出演に当たって、街の皆さんからの質問を青木源太キャスターが集めた。
(Q.小泉農水相に聞きたいことは?)
80代:お米の値段いくらまで下げていただけますか?
(Q.いくらぐらいが適正だと思う?)
80代:3500円(5キロ)ぐらい。
(Q.小泉農水相に聞きたいことは?)
40代:農家の皆さんがHappyになっているのか?これからも農家を続けていけるような仕組みが、構築できているのか気になる。
50代:5次卸しが本当に必要なのか?本来、頑張っているところにお金が落ちることが大事。
80代:備蓄米がなくなった後どうなるんでしょうか?あんまり輸入米に頼らない方がいいんじゃないでしょうか。
(Q.小泉農水相に注文は?)
70代:家計に響くほど値上げしなければならなかったのは、反省してもらいたいです。(政府として)そうなる前に、何か打つ手があったと思いません?
60代:出来たらみんなと仲良くしてくださいっていう感じかな。ほかの議員さんと。新しいこととか、今までと違ったことしようと思ったら、前の人はそういうふう(嫌なふう)に思うんじゃないか。小泉大臣は、ほかの議員さんと仲良くやれてますか?

■米価下落と生産者保護の両立 小泉農水相が語る「農政のバランス」
さまざまな質問が出たが、結局一番多かったのは、「コメの価格5キロあたり、いくらを目指している?」という質問。
小泉進次郎農水相:これは全国で4200円平均だったものを、3000円台にすることを目指してやっています。それでありがたいことに、ようやく毎週米の価格が下がってきて、今3000円台に入ってきました。ただ地域を見れば、まだ地域差はありますので、今の状況を見ていると、まだ手を緩める状況にはないと思います。
それといま街角の方々が、お米の価格のお話をされてました。そしてコメ農家さんのことが心配の方もいらっしゃいましたよね。ここについては、間違いなく今私が米の価格を下げに言ってることに対しては、生産者の皆さんの中で不安、こういったものはあると思います。
ただ一方で、これから中長期を見据えてコメ作りをしっかりしていただけるような環境作りを考えていますので、これがちゃんと伝わるようにしたいと思います。
一方で伝えたいことは、輸入米についてあんまり頼らない方がいいんじゃないかという街の声がありました。これは、実は、政府が輸入をしているのではなくて、高い関税を払ってでも民間企業が今、大量に日本に海外のコメを輸入しています。それでもなお日本のコメよりも安く売れるということで、こういったことが起きてしまっているので、やはり今この備蓄米を流して、なんとか外国産米を食い止める。こういったことも今同時で考えてやってるっていうことは、ご理解頂きたいですね。

■「外国産米が125倍増」小泉農水相が危機感 備蓄米放出の意義強調
青木源太キャスター:農水大臣就任後、矢継ぎ早に政策を打ってますけれども今、手を緩める気はないとおっしゃいましたが、それは価格である程度ラインを決めているのか、時期で緩める時を決めてるのかどちらなんでしょう?
小泉進次郎農水相:これはですね…、実は、きょうこの番組で初めて申し上げることなんですけども、毎週月曜日は農水省の毎週の価格の新しいデータを公表する日なんですね。きょうこれから公表するんですけども、速報が私のところには来まして、先週3920円という価格だったのが、119円下がりまして3801円。これは5週連続下がったことになるんですが、農水省がデータを取った、令和4年の3月以降で初めて5週連続下がったってことになったんです。こういったことをまず前向きに受け止めています。
一方で、外国産米がとてつもない量で増えています。『125倍、海外からのお米が増えている』という状況は、日本のコメが高すぎるから、これが起きてるんですよ。ここを放置していたら、米農家さんが心配をしている、『もっと海外のコメが入ってくるんではないか』、これを放置することになりかねない。加速化させかねないということで今、何とか安い備蓄米を流していると。ただ新米の値段が2000円かと言うと、新米と古米は絶対違いますから。ここの部分は不安なく受け止めていただきたいと思いますね。

■「選挙スケジュールで米価操作?そんな技術あれば高騰は起きなかった」 小泉農水相が反論
政治ジャーナリスト 青山和弘さん:3801円まで下がったっていうのは、結構大きな下がり方をしたとみていいと思うんですね。なのでどっかで出口戦略というか、そろそろ備蓄米の放出をいったん手を緩めるとか、もしくは買い戻すとか、そういったことも考え始めなきゃいけない時期に来てるんじゃないかと思うんですが、そのあたりはもう念頭に入っていると、見ていいんでしょうか。
小泉進次郎農水相:これ青山さんが言われた、『備蓄米を買い戻す』ということについては、実は国会の中でもずっと申し上げているんですけど、マーケットが落ち着いたあかつきには、放出したのと同じ量だけ備蓄米の水準を戻して行きます。この話はずっとしてるんですね。なのでここについても、もっとこのメッセージが伝わるようにしたいと思います。
ただ一方ですごく難しい局面なのは、生産者の皆さん向けに安心をしてもらうメッセージと、コメをなんとか高く維持したいというマーケットの筋に対するメッセージというのが、やはり両方あるわけですよ。私が大臣に就任して以降、約1カ月間、今まで全く下がらなかったコメの価格を1回下げに行ってる時に、このメッセージを強烈に出さなければ、今回のような5週連続下がるっていうことは実現できなかったと思います。
ですので大臣として、生産者向けのメッセージ、マーケット向けのメッセージ、消費者向けのメッセージ、そのさまざまなことを考えながら、なんとか生産者、消費者双方にとって喜べるような、そういった局面を目指しているということは、ご理解いただければ嬉しいです。
政治ジャーナリスト 青山和弘さん:参議院選挙までは、下げ続けるとかそういう日程は特に念頭にはないということでよろしいですか?
小泉進次郎農水相:ないですね。この下がり方は全く予想できなくて、しかも農水大臣として反省をしなければいけないことは、1年前に農水省は『新米が出てきたらコメの価格が下がります』と言ってたんですよね。だけど実際、下がったわけです。このコメの価格が非常に見通しが難しいという中で、選挙のスケジュールを見越して、『これぐらいやれば、いくら下がる』とか、そもそもそういうことは、それぐらいできたら、今のコメの価格高騰自体を起こさずに素んだと思います。

■史上初の5週連続米価下落 小泉農水相「高止まり傾向の再燃に警戒」
青木源太キャスター:小泉大臣は5週連続下落、そして5キロ3801円という金額には、今は満足していらっしゃいますか?
小泉進次郎農水相:まず5週連続下げのトレンドが実現できていることは、これはありがたく、政策効果が発揮できるし、結果が出ると思っています。ただこの5週連続も史上初なんですよね。なので高止まりをする傾向に、もう1回戻らないか、こういったところは注意深く見なければいけないと思っています。
(関西テレビ「旬感LIVEとれたてっ!」2025年6月30日放送)
