高松市川部町の建築工事業の谷口工務店と関連会社のリッジ・ホーム・プロジェクトが、6月30日に事業を停止し、事後処理を弁護士に一任、自己破産申請の準備に入ったことが民間の信用調査会社の調べでわかりました。負債は2社合わせて、約5億4100万円とみられています。
帝国データバンク高松支店によりますと、谷口工務店は1958年創業の建築工事業者です。個人向けの新築戸建て住宅を主体に、アパートや事務所などの建築工事や、リフォームのほか、官公庁からの元請けによる公営住宅や学校などの大規模改修工事を手がけ、1995年5月期には年売上高、約8億2100万円を計上していました。
しかし、その後は同業者との競合や、従業員の高齢化などで受注は減り、2023年5月期の年売上高は約2億7500万円にまで落ち込んでいました。資材価格の上昇や、賃上げによる労務費の増加に対する価格転嫁が不十分で低調な収益性を余儀なくされ、これまでの赤字決算もあり、大幅な債務超過の状態が続いていたということです。
2024年5月期には大口案件を手がけたこともあり、年売上高は約4億円を計上、黒字を確保したものの、大幅な収益性の改善には至らなかったということです。
関係会社のリッジ・ホーム・プロジェクトは1995年設立で、谷口工務店が建築した戸建て住宅の販売・仲介を主に手がけてきましたが、谷口工務店に連鎖する形で、自己破産申請の準備に入ったということです。
負債は2024年5月末時点で、谷口工務店が約4億900万円、リッジ・ホーム・プロジェクトが約1億3200万円で、2社合わせて約5億4100万円とみられています。
写真:谷口工務店本社(高松市川部町)
(写真提供・帝国データバンク高松支店)