香川からアイドルデビューを目指す19歳の女性がいます。10代のうちにデビューする人が多いこの業界で、夢と現実の間で葛藤が生じています。「1人の女の子」が憧れの的へと駆け上がる。熱くて、そして「尊い」10代の挑戦を取材しました。

合格できなかったら即終了…「人生を懸け」STU48のオーディションに挑む滉乃葉さん(19)

6月1日、高松市。アイドルを目指す彼女たちにとって、勝負の日・・・

(運営の説明)
「合格できなかった人はそこで終了となるので、気を付けて帰ってください」

AKB48の姉妹グループで、瀬戸内を拠点に活動するSTU48のオーディションです。高松を含む3つの会場で2次審査が行われました。

1人の持ち時間はわずか1分。限られた時間の中、自分の魅力を伝えます。

(オーディション受験者)
「きょうは人生を懸けてここに来た」

(滉乃葉さん)
「幼稚園の頃からアイドルが好きで、オーディションに受かった時にうれしくて…」

香川県出身の滉乃葉さん(19)。

〇ダンスオーディションに臨む滉乃葉さん
(滉乃葉さん)
「緊張というか、涙が出てしまった。後悔が残らないように最後まで踊り切ったので良かった。周りの人が頑張っている姿を見たら感動した」

一瞬の披露で分かれた明暗…滉乃葉さんは最初に2次審査を通過

練習してきた時間に対し、披露の場は一瞬。心を落ち着かせるいとまもなく、合格発表です。

「17番」
張り詰めた空気の中、最初に呼ばれました。

「呼ばれなかった人はここで終了。忘れ物のないように番号札をテーブルに置いて帰ってください」

実力主義のアイドルの世界。滉乃葉さんは、この世界で勝負すると決めました。

「負けず嫌い。やり通す。これと言ったら。信念が強い」祖母の言葉に裏付けられる滉乃葉さんの妥協を許さない性格

(家に入る記者を迎える滉乃葉さん)
「こんにちは」

県外の短期大学に通う滉乃葉さん。休みの日は、祖母の幾子さんの家に遊びに行く生粋のおばあちゃんっ子です。

(祖母・幾子さん)
「(Q:小さい時はどんな性格?)今でも一緒だが負けず嫌い。やり通す。これと言ったら。信念が強い」

やるからには妥協したくない。最終オーディションに向け、練習にも熱が入ります。

(滉乃葉さん)
「踊るのが楽しいので勝手に笑顔になっている。緊張したら小さくなるので、できるだけ大きく。手や足もなるべくリズムに乗り大きく見えるようにしている」

幼稚園の頃に抱いた「アイドル」への憧れ 学業と天秤にかけ「最終オーディション受験」を選択

そんな滉乃葉さんがアイドルに興味を持ち始めたのは、幼稚園の頃。人前でのパフォーマンスが大好きで、大きくなるにつれてステージで輝くアイドルに憧れるようになりました。

(滉乃葉さん)
「かっこいいという気持ちがずっとあって目指したいとかはその時はなかったが、今は乃木坂46で元気をもらっているから、元気を与えられる人になりたいというのはある」

そうした気持ちで、誰にも相談せずに応募した今回のオーディション。2次審査に合格したあと、アイドルと学業を天秤にかけたことで、気持ちに変化がありました。

(滉乃葉さん)
「進路を決める時期だったので。(人生が)変わるので、やめようと言われたが、最終のオーディションが受けられないとなった時に、すごく悔しくて。悔しいと思うということはやりたいということ。その時に(アイドルに)なりたいと強く思った」

何度もの葛藤の末…多くの人に元気を届けられるアイドル目指し最終オーディションへ

〇車に乗り込む滉乃葉さん
滉乃葉さんが悩んだ時にするのが、ドライブです。

(滉乃葉さん)
「1人で何も考えずにできる。好きな曲を聴いてリフレッシュする時間」

〇車中で乃木坂46「裸足でSummer」を聞きながら
何度も葛藤しながら決めたアイドルを目指すという選択肢。

(滉乃葉さん)
「小さい頃の自分が今の自分を見たら絶対にやれと言うと思うし、将来大きくなっても今やめたら後悔するのが分かっているので、それだったら大学よりもアイドルの道を選んだ方がいい」

アイドルに元気をもらっていた自分から、多くの人に元気を届けられるアイドルへ。滉乃葉さんが強い思いで臨む最終オーディションは、7月に広島市で行われます。

岡山放送
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