7月に2回訪れる「土用の丑の日」。
スタミナ食として食べたくなるウナギが、2025年は安く食べられるかもしれません。
ただし将来に向けては値上がりの心配も出てきました。
千葉・成田市にある「うなぎ新川本店」。
身はふっくらと、皮は香ばしく焼き上げられた夏のスタミナ食「ウナギ」。
浅倉美恩キャスター:
口の中に入れた瞬間にふわっと溶けていく感じがあって、かんでいる感触が全然ないです。
来店客は「おいしいわ。スーパーの2000円のウナギとは全然違う」と話しました。
思う存分食べたいウナギですが、このところはそうもいきません。
男性は「高級だよ。俺みたいなのは、なかなか食えない。1年に1回だけだよ、そんな食べられない」と話します。
高級品のイメージが固まる一方、2025年は安く食べられるかもしれません。
2024年は不漁だったウナギの稚魚「シラスウナギ」が2025年は豊漁だといいます。
漁師:
(結構とれた?)100匹以上はとれました。多いですね、今年は。
豊漁とはいえ、日本は7割を輸入に頼っているのが現状です。
そうした中で、今後、値上がりが心配される出来事がありました。
水産庁によると、EU(ヨーロッパ連合)が二ホンウナギを含むウナギの全種類について、国際取引を規制するワシントン条約への掲載提案を正式決定。
11月に行われる締約国会議で提案が認められれば、キリンやカバなどと同様、ウナギを輸出する際に許可書の発行が必要となります。
それにより、これまでよりも国際取引に時間がかかる可能性が浮上しているのです。
今回の決定を受け、小泉農水相は「ニホンウナギについては国内および日・中・韓・台湾の地域で保存管理を徹底しており、今般のEUの決定は極めて遺憾である」と反論しました。
取材したウナギ店でも、中国産や台湾産などの輸入ウナギを7割ほど使っているといいます。
うなぎ新川本店・西勝光治社長:
(Q.違いはない?)同じ種類、取れた場所が違うだけで、台湾のところで取れてるから台湾で育って日本に来ている。
小泉農水相と同じく、店もEUの決定には納得がいかないといいます。
うなぎ新川本店・西勝光治社長:
豊漁・不漁・豊漁・不漁と繰り返して、4年に一度ずつ来る波がある。そういうのをヨーロッパの人たちは全然計算しない。何でもかんでもやってしまえというのはいかがなものか。
もし11月に提案が認められた場合、廃業する店も出てくるのではないかと危惧しています。
うなぎ新川本店・西勝光治社長:
潔くもう廃業と、逆にその方が利口だとおっしゃる方もいる。
ウナギを巡る情勢はどうなっていくのか。
今後の動きを注意深く見守る必要がありそうです。