2024年秋に一般公開を終えた“三保の水族館”。一部の研究施設を残して2025年4月に取り壊しになることが決まり、存続を求めていた市民団体からは悲しみの声があがっています。
東海大学海洋科学博物館を残す会
影沢孝行 会長:
3万筆以上の署名が集まったが、その意向を全くくんでもらえなかった。非常に残念
悔しさをにじませたのは静岡県静岡市清水区三保の東海大学海洋科学博物館の存続を求め活動していた大学のOBなどによる市民団体です。
1970年に開館し、“三保の水族館”として多くの人に親しまれてきた東海大学海洋科学博物館。
駿河湾の生物など約400種類5000匹が飼育・展示され、1975年には上皇ご夫妻も訪れています。
世界で初めてカクレクマノミの繁殖に成功するなど、海洋研究と教育貢献するとともに観光スポットにもなっていました。
しかし、開館から50年以上が経ち、施設の老朽化などにより2024年の秋に一般公開を終え、教育・研究機関に専念する方針を決定。
当時は静岡市が計画する海洋文化施設と連携し、一部機能を使用する予定でした。
その後、事業者との協議が難航し、生物の維持・管理を辞退し、展示内容への助言のみをすることに。
こうした中、市民団体は施設の保存と学びの場の継続のため署名を集めるなどして存続を求める活動を続けてきました。
そして、6月26日に記者会見を開いた市民団体。
2025年6月、博物館の存続を願う卒業生からの支援の受けて大学側に建物の買い受けを提案したことを明かしました。
大学には費用の負担を求めず、新たな組織が博物館を運営していくと訴えたものの「建物の撤去は5年前に決まったことで方針を変えることはできない」と連絡があったということです。
東海大学海洋科学博物館を残す会
影沢孝行 会長:
資金提供の企業を集めたにも関わらず前から決まっていたから無理だというのは納得がいかない。他にできない理由があるのかなと思うが、具体的な返答はもらっていないという状況
団体は今後学校法人側とも接触し建物の存続を訴えていくとしています。
高本圭市 記者:
大学からの回答は来年4月の解体でした。しかし、市民団体の熱い思いは消えていません。