大雨になると、段階的にたくさんの気象情報が発表され、どう行動してよいのか迷う人も多いのではないでしょうか。そこで、村田光広気象予報士が「大雨、どの情報でどんな対応を?」というテーマで気象情報のポイントを解説します。
◆警報が出たら避難に向けて備えを
気象情報を正しく理解するためのポイントを確認します。
まず、大雨が予想される場合、数日前にこのようにお伝えします。
例)「週末は、梅雨前線の活動が活発となり、大雨になる恐れがあります」
さらに大雨が近づくと「大雨注意報」「大雨警報」が発表されます。ここ大事なポイントは、警報が発表されたら大雨に警戒が必要、ということです。具体的には、避難場所や備えなどを確認することです。
また、早めに線状降水帯予測情報が発表されることがあります。同じ場所で数時間にわたって大雨になる現象です。これは警報よりも早く出されることもあり、より一層、警戒が必要です。危険な場所にいる人や高齢者などは、状況を見てこの段階で避難することが必要です。
実際に大雨となり土砂災害の危険性が高まると「土砂災害警戒情報」が発表されます。
記録的な大雨になると「記録的短時間大雨情報」が発表されます。これは1時間に80ミリの猛烈な雨で、圧迫感や恐怖感を感じるような大雨です。この段階になると、市や町が避難所を開設したり、避難指示を発表する段階です。
また、河川の増水氾濫の危険性が出てくると、「指定された河川の洪水予報」が発表されます。さらに、線状降水帯が発生した場合「顕著な大雨に関する気象情報」が発表されます。
ここでポイントです。警報の後に出てくる情報は、大雨になった後です。つまり、既に災害が発生している可能性があるということです。ですから、大雨警報が出た時点で、警戒することがとても重要なのです。
◆大雨特別警報=ただちに命を守る行動を
実際に大規模な災害が発生し非常に危険な状況になったときに発表されるのが「大雨特別警報」です。ただちに命を守る行動が必要になります。
具体的には、積極的に動かず、自宅2階などに垂直避難して救助を待つことです。過去に大雨特別警報が県内に発表されたことがあります。
2013年9月16日、台風18号が日本の南の海上を北上。嶺南地方中心に大雨となり、運用開始以来初めて大雨特別警報が発表されました。24時間降水量は小浜で384ミリ、敦賀で215ミリを観測。家屋の損壊など大きな被害が発生しました。
このように、大雨になるとたくさんの情報が発表されます。基本は、大雨警報が発表されたら 大雨に警戒して頂くことです。情報はテレビでもお伝えしますが、気象庁のホームページ、キキクルなどで確認するようにしてください
大雨情報(予告)を確認した時点で防災意識を高めること、そして警報が発表されたら避難行動を考えることを徹底してください。