昨冬の大雪により収穫が困難となり、廃棄される予定だった新潟県上越市の雪下キャベツ。この廃棄される予定だった雪下キャベツがドッグフードに生まれ変わり、新潟市のペットショップで販売されている。商品開発の背景などを取材した。
約1万玉の“雪下キャベツ” 大雪で収穫困難に…
新潟市のペットショップ『ミリオンペット』で5月から販売されているのが、上越市の雪下キャベツを使ったドッグフードだ。

この商品が開発されたきっかけについて、江口亜由美代表は「大雪で廃棄されるキャベツの量が多いということを報道で知って、何かにつなげられないかなというふうに感じ、商品が実現した」と話す。
その雪下キャベツは本来、収穫される時期の3月になっても畑には一面雪が積もっていて、約1万玉のキャベツが収穫できない状態となっていた。
当時、高田圃場の早津知祥さんは「雪がとけたときにはこの温度ですぐ、とう立ちして(茎が伸びて)花が咲いてしまう。そうなると販売もできない。キャベツは砕いて畑につけこんで収穫できずにおしまいになってしまう」と肩を落としていた。
廃棄予定だったキャベツがドッグフードに変身!
キャベツの収穫を断念するつもりだった早津さん。そこにペットショップから連絡があり、雪がとけてから約200玉を収穫し販売。乾燥させた後、おからと混ぜ合わせ、ドッグフードに生まれ変わった。

早津さんは「生で出さない分、多少傷んでいるところを切って使っていただいたり、例えば、とうが立ってしまって硬くなったものも加工してくれた。作った以上は捨てるより、一つの商品になって消費者に届いたというのが非常にうれしい」と笑みを見せた。
キャベツの食物繊維だけでなく、おからで植物性のタンパク質もとれるため、栄養バランスのとれたドッグフード。

店の看板犬であるミニチュアシュナウザーの孔明くんも気に入っているという。
ドッグフードへの加工で食品ロス減へ「無駄なく生活できたら」
これまでにも新型コロナ禍で消費されず、廃棄予定だった村上市のサケを使ったドッグフードを開発し、販売しているミリオンペット。

その背景には、食品ロスを出さず、なおかつ新潟のおいしい食材を愛犬にも食べてほしいという思いがあると江口代表は話す。
「おいしい食材がいっぱいあるので、そういったもので、また次のシリーズにつながればと思っているし、みんなが無駄なく生活できたらとてもいいなと思っている」
このドッグフードは、新潟市東区と西区にある店舗で販売されている。
(NST新潟総合テレビ)