23日、農水省が発表した米の平均価格は4カ月ぶりに3000円台となりました。

そんな中、24日朝、福岡市のスーパーで行われた備蓄米の販売にも、ある変化がありました。

24日、福岡市内のスーパーで備蓄米の販売が行われました。

販売開始の1時間前、店内には備蓄米の整理券を求めて並ぶ人の姿が見られました。

◆来店客
「初めて。今まで(備蓄米の販売に)全部間に合わなかった。6時半頃行ってもだめだったこともある。ミスターマックスがそうだった。ずっと長い間(家に米が)なくなっているから、パンとそばでやってきた」

店内に並んでいたのはわずか10人ほど。

一時期の備蓄米フィーバーに比べるとかなり少ない印象です。

そして…

◆スーパー従業員
「整理券をお持ちのお客様はこちらにお並びください」

店内の特設コーナーでは整理券を手にした人たちが次々と備蓄米を買い求めていきました。

販売されたのは2021年産のいわゆる『古古古米』、価格は5キロ税込みで1890円という安さで、1家族1袋限定です。

24日に用意された備蓄米は130袋でしたが…

◆記者リポート
「販売開始から1時間が経ちましたが、こちら備蓄米は半分以上残っています」

整理券を受け取らずに購入した人も多く、中にはこんな人も…

◆整理券なしで備蓄米を購入した人
「並ばずに買えた。牛乳を買いに来たんですけど」

Q.きょう並ばれました?
◆整理券なしで備蓄米を購入した人
「友達から連絡が来て『まだありそうだよ』と言っていたので、急遽子供を送り出してから急いで来ました。ちょっと拍子抜けしましたけど、うれしかったです」

これには店側も予想外だったようで…

◆サニー平尾店 崎秀嗣 店長
「思った以上に並ばなかったですね…。ニュースで競合他社の映像を見ていた分、期待はあったんですが、ブームが去ってきたのかな」

市場に出回りだした「備蓄米」の効果は最新の米価格にも現れはじめています。

23日、農水省が発表した全国のスーパーの米の平均販売価格は5キロ当たり3920円と、前週に比べて256円値下がり。

4ヵ月ぶりに3000円台となりました。

これについて小泉農水大臣はー

◆小泉農水相(23日)
「首相が今まで6月の中旬までに平均で3000円台と、こういう風にお話されてきたことを、多くの皆さんのご協力のおかげで達成できた」

と一定の評価をしましたが、消費者の実感はどうなのでしょうか?

◆買い物客
「安くはない。もっと安くね、ならないでしょうけどね、3000円切ればそれがうれしい」

消費者が値下がりを実感するにはもう少し時間がかかりそうですが、24日、福岡県宇美町の米穀店を訪ねてみると…

◆いしぬき米穀店 石貫徹也 代表
「今うちで(5キロ)4400~4600円で販売しているが、『スポット価格』が3万円を切れば3000円台で販売もできると思う」

スポット価格とは、小売店や卸売業者が在庫不足のときなどに、同業者から米を仕入れる際の価格のことです。

この半年ほど、米不足による価格高騰が続き、銘柄米のスポット価格は60キロ4万円~5万円ほどでしたが…

◆いしぬき米穀店 石貫徹也 代表
「小泉大臣によって備蓄米が出回り、6月に入って少しずつ価格が下がってきて、銘柄米も(60キロ)3万5000円くらいで取引されている。その分、安く販売できるようになっていく」

今後、備蓄米の販売に加え、秋に新米の出荷も始まれば米の流通量が増え、さらに価格は下がると見込んでいます。

ただ、こちらの米穀店で購入の申請をしていた備蓄米は、依然として届いていないといいます。

◆いしぬき米穀店 石貫徹也 代表
「トラックの手配などが滞っていて、出荷が遅れているんだと思います」

6月2日に申請し、16日ごろからの販売を予定していましたが、予想外の入荷の遅れに頭を抱えています。

◆いしぬき米穀店 石貫徹也 代表
「お客様にも6月中には販売できるのではないかとお伝えしていたので、お客様もがっかりしています。少しでも早くほしいという問い合わせが多いので、その辺の対応がですね」

備蓄米の入荷日は未定ですが、早ければ7月中旬ごろから販売を行う予定だということです。

そんな中、米価格の高騰に対して独自の支援策を行うという新たな動きも…

福岡市の南側に位置し、ベッドタウンとして知られる福岡県大野城市。

市の独自の支援策として、「ある事業」を盛り込んだ補正予算案が議会で可決されました。

その内容とは…

◆大野城市 経営戦略課 的野祐士 課長
「今回は高齢者、65歳以上の方を対象としまして、『おこめ券』を配布させていただくことになります」

65歳以上の高齢者を対象に、1人あたり4400円分の「おこめ券」を配布するというのです。

この施策の狙いを聞いてみると…

◆大野城市 経営戦略課 的野祐士 課長
「食事を抑えたり、食生活を控えたりという高齢者の方おられますので、そういったものをまず防いで欲しいと。物価高騰の経済対策も含めて、今回は高齢者の方にスポットを当てさせていただいたというところです」

この支援策に、大野城市の人たちは…

◆大野城市民(70代)
「2人(暮らし)だったら2枚…8800円。すごいね、大野城市えらい」
「ありがたい、絶対ありがたい。やっぱり新米食べたい」

大野城市は、市内の対象者約2万5000人に対し、7月下旬から「おこめ券」を発送する予定です。

テレビ西日本
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