政府が放出した随意契約の備蓄米は、手に入れづらいものの福岡でも販売が行われています。

ただ、この備蓄米そのものが底をつきつつあり、今年の新米価格が注目されます。

◆小泉農水相(5月23日)
「早ければ6月の頭。だから、2週間以内に備蓄米、随意契約で卸したものが店頭には並ぶ。2000円台で並ぶ」

5月の就任直後、このように語った小泉農水相。

その言葉通り、6月に入って福岡の小売店の店頭でも備蓄米が並び、2000円前後で販売されています。

「最も力を入れなければならないのは米だ」と力を込めていた小泉農水相。

就任から1カ月が経ち、小泉氏の手腕、そして米の価格について福岡の街で聞いてみました。

◆60代
「備蓄米は安いのかもしれないけど、今まで買っていたお米はあまり下がっていない気がします。農家の方も私たちも両方がいい感じに、そんな風にしてもらいたいと思います」

◆60代
「そろそろお米が切れるんだけど、もう少し待っていたら下がるかなって思って。(小泉氏に)期待してますよ。それから新米が昔のように、昔まではいかなくても、3000円台に下がってほしいです」

さまざまな声が聞かれる中、沖縄県の石垣島では16日、早くも新米の収穫が行われていました。

石垣島の米生産者によると、今年の新米はJAの買い取り額が去年の3倍近くに跳ね上がりました。

さらに、沖縄以外の業者から初めて問い合わせがあるなど、価格、数量ともに「新米争奪戦」の様相を呈しています。

そうした中、福岡の新米はどうなっているのでしょうか。

福津市の「くわの農園」では5月、田植えを終えた早場米のコシヒカリが高さ50センチほどに育っていました。

Q.早場米の収穫時期は?
◆米生産者 桑野由美さん
「8月下旬から9月初旬にはとれる予定です」

早場米に加え、秋に収穫する普通米。

例年同様、飲食店やスーパーなどに直接販売する予定です。

しかし、今年はいまの米不足を背景に、新米の取引が前倒しの状況となっています。

◆米生産者 桑野由美さん
「今年はいま注文を受けている分でストップする予定です。少し余裕があれば個人の方に販売するかもしれませんが、いまはもう契約でいっぱいです」

新米は去年に比べて高い価格での販売を予定しています。

肥料や燃料費などの高騰や人手不足などの影響で、経営環境が厳しさを増していることが大きな理由です。

◆米生産者 桑野由美さん
「(去年の)2倍です、単純に。2倍くらいになっています」
Q.収入はプラスになる?
「プラスにはなるが、経費も高くなっているので、思ったほど利益はない」

安い備蓄米の放出が限界に近づき、新米争奪戦も激しさを増す中、米の価格と供給をどう安定させるのか。

次の一手が注目されています。

今後は5キロ3800~3900円程度が基準になるか

秋に取れる一般の銘柄米の今年の新米はネット販売の予約が始まっていて、今のところ価格は5キロ5000円台から6000円台での出品が多いということで、新米で供給が増えるからといって、すぐに価格が下がるわけではないようです。

長い目で見て、今後、日本全体の米価格はどの程度になるのか、流通経済研究所の折笠主席研究員によると「秋以降、銘柄米は最終的に5キロ3800~3900円で落ち着き、これが基準になるだろう」との見方を示しています。

テレビ西日本
テレビ西日本

山口・福岡の最新ニュース、身近な話題、災害や事故の速報などを発信します。