アメリカのトランプ大統領は22日にイランの3つの核施設への攻撃に成功したと発表しました。
被爆80年を迎える被爆地ナガサキからは失望と憤りの声が上がっています。
県平和運動センター被爆連 川野浩一 議長
「俺の言うことを聞かないのか、だったらいつでもお前たちをつぶしてやるぞ、そういう風なトランプの、アメリカの考え方があると思うんですね」
被爆者の川野浩一さんはアメリカの攻撃を強く批判します。
アメリカはイラン現地時間の22日、イランのイスファハンなど3つの核施設を攻撃しました。
主要紙「ニューヨーク・タイムズ」は「アメリカはイランとの戦争に突入した」と伝え、イランの国営テレビは「中東における全てのアメリカ市民や軍人は正当な攻撃対象になる」と強い反発を示しています。
川野さんは混沌とする情勢に「世界は、戦争や核兵器の恐ろしさを忘れたのか」と警鐘を鳴らします。
川野浩一さん
「一つ間違えば、世界はどういう状況になるか、分からない。不透明な時代に入っている。そういう時代であるからこそ、今の状況は非常に危なっかしいな、と私は思っていますね」
被爆者 三田村静子さん
「なんか、もう、どうなってるのって、一生懸命こっちは、原爆はしたらいけないと言っているのに、私の努力も空しく、また戦争って、なんか、がたんと来ました」
長崎大学で国際法を研究する河合教授は今回の攻撃は国際ルール違反だと厳しく指摘しています。
長崎大学核兵器廃絶研究センター(RECNA)河合公明 教授
「納得がいかない相手に対して、武力で攻撃していいという話になってしまうと収拾がつかなくなってしまうわけですよ」
河合教授はこの攻撃について紛争時に武力行使を禁止し、平和的解決を求める国連憲章に反する上、核施設の攻撃を禁じる国際決議にも違反するとして、国際社会はアメリカに説明を求めるべきだと話しています。
河合公明 教授
「ルールが破られていないのですか、と相手に説明してもらうことが大事なんですね」
河合教授は被爆地から攻撃の正当性を問い続けることが必要だと強調しています。