高校生が地域の防災について考えるワークショップが開かれた。講師に招かれたのは、東日本大震災を経験した宮城の高校の元校長。

このワークショップは、災害時に自ら考え動く力をつけてもらおうと南陽高校が企画したもので、全校生徒と市の防災担当職員などあわせて約280人が参加した。

講師に招かれたのは、宮城・石巻西高校の元校長で、現在は防災士として活動する齋藤幸男さん。
東日本大震災当時は教頭で、学校の体育館が遺体安置所になったため教室を避難所として開放した。

最前線で避難所の運営にあたった経験から、齋藤さんは「全体を統括する人を置く“縦割り型”の運営では、避難所で次々起こる課題に迅速に対応できない。食事係やトイレ係などの担当者を決めてそれぞれに判断を任せる“蜘蛛の巣型”の運営が望ましい」と話した。

その後はグループに分かれて、「被災者の生活再建」「避難所の運営」などのテーマごとに、震災で明らかになった課題について意見を出し合った。

(発表)
「イベントなどで、着られなくなった衣類や使わなくなった物資を集めて避難所に寄付し、備蓄しておくという意見が出ました」

生徒たちからは、「支援物資を適切に配るためには家庭ごとにリストを作る必要がある」「支援が必要な人を地域ぐるみでサポートするため地域の交流の機会を増やした方がいい」など具体的な意見が出された。

(生徒)
「災害時にできることを増やすために、調べたり学習したいと思った」

生徒たちは、災害時に適切な行動をとるためには、事前に考え・備えておくことの重要性を実感していた。

さくらんぼテレビ
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