収穫の最盛期を迎えた県産のサクランボ。県によると、2025年は「過去最低の収穫量」となる可能性も出ているが、産直施設は開店前から長い列ができるにぎわいをみせていた。
東根市の産直施設の駐車場には、平日の朝にも関わらず水戸・千葉など県外ナンバーの車が多く並んでいた。
オープン30分前の午前8時半。店の外をぐるりと取り囲むほど多くのお客さんで長い列ができていた。
先頭の人に話を聞くと…。
(仙台から)
「朝4時半に家を出た。早くないと。パーッと取ってどれがいいかなと。あっという間になくなっちゃう」
(リポート)
「午前9時になりました。オープンと同時にお客さんが一斉に入ってきました。少しでもいい品物を買おうとサクランボコーナーで品定めをしています」
オープンするやいなや、店内のサクランボ売り場は瞬く間に大混雑。
収穫の最盛期を迎えている佐藤錦など、地元産のサクランボを求めて店内は大にぎわい。
1箱・2箱とどんどんカゴへ入れていき、カートは品物でいっぱいになっていた。
(栃木から)
「(Q.どこから?)栃木。友達にあげるのに小さいものを買った。毎年来ているけど、おいしいのでいっぱい買う」
(宮城から)
「鹿児島に送るからいいものを選ぼうと。『特秀』がほしいが、なかなか人がいっぱいで大変。色合いと大きさを見る(Q.混雑している売り場で吟味できない?)そう」
どんどん売れていく売り場では、生産者が次々に商品を補充していく。
十分な量のサクランボがあるように見えるが…。
(よってけポポラ・舘下勇店長)
「県からの発表もあったが、今年もサクランボの収穫量がとても少ない状況」
県は16日、2025年の県産サクランボの予想収穫量について当初の発表を下方修正した。
県が6月上旬~中旬にかけて行ったサクランボの作柄の補完調査によると、最新の予想収穫量は「8600トン~9700トン」で、当初の発表よりも約5%減少した。
これは平年の1万2700トンを大きく下回り、過去最低だった1994年の8570トンや2024年の8590トンよりも少なくなるおそれがある。
予想収穫量がさらに減った理由として県は、雨よけビニールを張って育てている園地の佐藤錦の約6%で「実が割れる」被害が出たことを挙げている。
(よってけポポラ・舘下勇店長)
「お客さんは朝から並んでいただいている。それを見ると『サクランボない』とは言えない。1粒でも多くみなさまに食べてもらおうという気持ちで生産者に持ってきてもらっているので、たくさん味わってほしい」
途切れない品ぞろえは、地元の生産者の頑張りによって支えられているそう。
この産直施設では6月下旬までサクランボを販売する予定。
県内では今週気温が高い日が続く。
県は、2024年のような「高温障害」がこれから出てくるおそれがあり、今後、収穫量がさらに減ってしまう可能性もあるとしている。