「クマが工場に侵入、梁の上を2時間居座る」

富山県南砺市利賀村の工場に子グマが侵入した。体長約1メートルの子グマは工場内のハシゴを使って天井近くまでよじ登り、高さ約7メートルの梁の上を歩き回りながら2時間ほど居座ったという。

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「まさか中に入ってくるとは」40年勤めた従業員も驚き

クマが出没したのは砺波重機利賀営業所。16日正午頃、子グマが工場内に侵入した。

「いやあ、びっくりしました。まさか中に入ってくるとは。40何年勤めているけれどこんなことは初めて」と従業員は語る。

工場は「道の駅 利賀」から約800メートル離れた国道471号線沿いに位置している。従業員たちは駆け付けた猟友会の指示に従い、クマを刺激しないようシャッターを閉め、警察や市の職員らと捕獲方法を検討した。しかし屋内という状況から猟銃の発砲は難しいと判断された。

「鉄板の壁まで登るとはびっくりした」意外なクマの身体能力

「木なら爪で登るだろうけど、あんな鉄板の壁まで登るとはびっくりした。行ったり来たりしていて食べ物を探していたと思う。ちょっと痩せているようなクマやったな」と従業員は目撃した様子を詳しく語った。

クマは発見からおよそ2時間後、工場の裏の隙間から自ら逃げ出したという。人間が大勢集まったことで怯えていた様子だったという。

さらに同日、工場から約300メートル離れた道路法面でも、別の男性がクマを目撃している。「大きさは小学生くらい。午後7時前くらい。作業場の従業員に写真を見せたら『この子この子』と言っていた。怖いですよね」と話す。

南砺市によると、利賀地区では今月に入り、工場から南に約2キロ離れた複合教育施設「アーパス」の駐車場で複数回クマの目撃情報があったほか、17日朝には作業場から2キロほど北に離れた利賀村北豆谷でも目撃されている。市では同じクマと見て、猟友会と連携し、注意を呼びかけている。

富山テレビ
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