全ての国民に2万円の現金給付。
石破首相が表明した参院選の公約ですが、今、不満の声が上がっています。
16日の「ソレってどうなの?」は、「給付金の根拠“食費1人1カ月2万円”」をテーマにお伝えします。
“全国民に2万円、子供と低所得者にさらに2万円”と、13日に石破首相はカメラの前で表明しました。
石破首相:
決してばらまきではなく、本当に困っている人たちに重点を置いた給付金を来たるべき参議院の公約に盛り込むよう指示した。
しかし、世の中の受け止めは厳しいものでした。
この週末に行ったFNNの世論調査。
現金給付については、「評価する」と答えた人は33%、一方で「評価しない」と答えた人が「あまり」と「全く」を合わせて65%に上りました。
さらに波紋が広がっているのが2万円という金額の根拠です。
自民党のナンバー2・森山幹事長は14日、こう説明しました。
自民党・森山幹事長:
一律2万円の根拠は、家計調査によると、食費にかかる1年間の消費税負担額が1人あたり2万円程度。
ではどういった計算でこうなるのでしょうか。
消費税を年間2万円負担した場合の食費ですが、軽減税率が8%であることから逆算すると、1人あたりの食費は年間25万円となります。
1カ月あたりの食事にすると2万833円。
この数字をどう見るか街で聞きました。
親子:
(Q.1カ月の食費「2万833円」)少なくない!?食費。スーパー(の買い物)だけでも2万円は超える。「自分らそれで生きていってるんですか?」と思うかも。計算した人はそうなんですかと逆に聞きたい。「なに食べているんですか?」と聞きたい。
1人世帯:
(食費は)もっとかかっていて、3~4万円。外食もあるので。2万円ポンと入ってきても米を買ったら終わってしまう。
3人世帯:
安すぎる。米もいま値上がりしているし、(食費は)2倍ぐらいかかっている。
この2万833円、1日あたりの金額にすると700円弱です。
3食でこの金額はどうなのでしょうか、街で1カ月の食費について聞くと、「13、14万円はいく。(Q.給付金2万円について)安いと思う」「2人暮らしだけど(食費)8万円ぐらい。物価があれ(高い)なので、焼け石に水のような感じ」などの声が聞かれました。
青井実キャスター:
岩田さん、森山幹事長は家計調査を基にしたと説明していましたけれども…。
SPキャスター・岩田明子氏:
自民党は4月ごろは一律5万円給付というのを主張していましたが、これがなくなったと。結局2万円というのは、税収上振れ分が3兆円台半ばというのが見えてきてこの決断になったと思うので、根拠の本当のところは税収のところなのかなと思います。ちょっと少ないですね。
もう1回、家計調査を検証していきたいと思います。ファイナンシャルプランナーの資格を持つフジテレビ・智田裕一解説副委員長に聞きました。
智田裕一解説副委員長:
総務省の去年の家計調査によりますと、総世帯で見た場合、1世帯あたりの1カ月のお酒とか外食を除いた食費は5万4134円です。これを1人あたりに直すと1カ月2万4946円になります。年間にすると29万9358円ということで、これに食料品の軽減税率8%分を計算すると消費税は2万2174円ということで、給付するとしている2万円の水準に近い金額になります。
一方、1人世帯、単身世帯ではどうかといいますと、1カ月あたりの食費が3万1750円、年間38万1000円という計算になります。これの消費税分は2万8222円ということになりますので、これですと給付するとしている水準2万円ではちょっと補えない部分が大きいという計算になります。
子供のいる世帯も含めた全世帯を基準に考えると2万円の給付額は妥当だという結果に。
しかし1人世帯では8000円以上足りない結果となりました。
1人世帯の人にも話を聞くと、「うーん2万円か…。それよりも税金とか下げてほしい」「子どもがいる家庭の方が、1人暮らしと比較すると負担も大きい。その観点ではしょうがないかなと」など、いろいろな受け止めがありました。