プレスリリース配信元:株式会社博報堂
―『個』重視意識が鮮明に。自分らしさを保ちながら結婚・出産を選ぶ兆し―
20-30代未婚女性の約8割が「結婚=妊娠出産するとは限らない、産むかどうかは自分で決めたい」と回答
株式会社博報堂(本社:東京都港区、代表取締役社長:名倉健司)の研究プロジェクト「博報堂キャリジョ研プラス」は、生活者発想に基づく視点で働く女性の意識に関する調査・研究を進めています。
生涯未婚率は2000年代以降上昇し続けており、2050年には男性の約3.6人に1人、女性の約2.7人に1人が生涯独身になると予測されています(出典:国立社会保障・人口問題研究所「人口統計資料集(2023)改訂版」)。中でもキャリジョ研プラスは、未婚率の増加が顕著な20-30代に注目し、未婚女性の結婚や妊娠出産に対する意識・価値観調査を実施しました。
これまでキャリジョ研プラスでは、女性がパートナーに求める条件がいわゆる「三高」から、「金銭感覚の共通」「家事育児の共有」「価値観の共感」といった“共に生きる”ことを重視する「三共」へと変化していることを指摘してきました。今回の調査では、その“三共”志向が引き続きみられると共に、パートナー選びや結婚・出産において“自分らしさ”を大切にする、「個の意識」がより高まっている兆しも見えてきました。
以下に主な調査結果をお伝えします。なお、「恋愛」「結婚」に関する設問は10代にも聴取しています。
《調査結果POINT》
- 「結婚しない」はネガティブではなく、“自己決定”としての前向きな選択肢に。
・10-30代の未婚女性全体のうち66.5%が「いつまでに結婚したいなどはないが、いい人がいたら結婚したい」という気持ちがとても/やや当てはまると回答。
・また、10-30代の未婚女性全体のうち、68.7%が「一人でも余暇を楽しめる」、67.6%が「一人で生きる気楽さを感じる」と回答しました。結婚をしないということもポジティブに考え自ら選択している様子がうかがえました。
- 際立つ「結婚しても、自分を貫く」姿勢。
・10-30代の未婚女性全体のうち81.0%が「結婚しても自分時間を楽しみたい」、74.6%が「結婚しても、一人で生きていける経済状況でありたい」と回答。
・結婚しても自分の生活スタイルを尊重する姿勢や、結婚相手に経済的に依存しない関係を望むことが示唆されました。
- “三共”志向の継続と、“自分らしく、無理なくいられる相手”という新しい意識も顕在化。
・10-30代の未婚女性全体のうちパートナーに求めることは、69.2%が「一緒にいて楽」と回答。気を遣わず、自分のままでいたいという気持ちが見受けられました。
・一方「金銭的感覚が合う」「考え方が似ている」なども上位に来ており、“三共”志向も引き続きうかがえました。
- “結婚=出産”というこれまでの通念に変化の兆し。
・「結婚している=妊娠出産するとは限らない、産むかどうかは自分で決めたい」と回答する10-30代の未婚女性は78.5%にのぼり、結婚=出産という通念の変化がうかがえました。
【調査概要】
調査名:「未婚女性のライフイベントに対する意識・価値観」調査
実施期間:2024/12/13(金)~16(月)
調査手法:インターネット調査(マクロミルパネル)
調査地域 :全国
調査対象: 15~39歳未婚女性 (5歳刻み均等割付)
回答数:本調査300名
調査主体:博報堂キャリジョ研プラス
調査委託先:株式会社ディーアンドエム
【博報堂キャリジョ研プラスについて】
「女性の幸せを起点に、すべての人が生きやすい“ニュートラルな社会”づくり」をビジョンに掲げて活動する、博報堂のスタッフを中心とした社内プロジェクト。2013 年より、働く女性(キャリジョ)に関するインサイト発掘、調査や情報発信を行う。 現在は、女性たちを取り巻く社会課題にも専門領域を拡大し、多様な立場にある生活者の声に向き合い、情報発信を行うほか、共創パートナーとともにマーケティング支援や事業・サービスの構想支援、教育機関での講演・企業内研修などに取り組む。ひとりひとりが性別に関わらず、自分の選択肢や自己実現を叶えられる未来、ひいては”キャリジョという言葉を使わなくなる未来”の実現を目指して、活動を行っていきます。
1.選択的未婚・子どもを望まない女性の割合
・未婚女性のうち20.2%が、結婚はどちらかといえばしたくない/したくないと回答。35.4%が出産はどちらかといえばしたくない/したくないと回答
未婚女性全体のうち、結婚を「したい/どちらかと言えばしたい」と回答した人は59.8%、「したくない/どちらかと言えばしたくない」と回答した人は20.2%。出産を「したい/どちらかと言うとしたい」と回答した人は44.6%、「どちらかと言えばしたくない」「したくない」と回答した人は35.4%となりました。
年代別にみると、結婚も出産も30代が「したくない/どちらかと言えばしたくない」と回答する人が比較的多く、それぞれ、27.8%、45.5%となりました。
*10代のデータサンプル数が少ないため省略
2.結婚/未婚に対する意識
・未婚女性のうち66.6%が「いつまでに結婚したい」などはないが、今後良い人がいたら結婚したいと回答
10-30代の未婚女性に対して、「結婚」に対する気持ち・考えにとても/やや当てはまるものを聞いたところ、66.6%が「いつまでに結婚したい」などはないが、今後良い人がいたら結婚したいと回答し、結婚に対する意向を自身のタイミングで柔軟に捉える傾向がうかがえました。
・未婚女性全体のうち、68.7%が「一人でも余暇を楽しめる」、67.6%が「一人で生きる気楽さを感じる」と回答
10-30代の未婚女性に対して、未婚女性としての気持ちで当てはまる項目を聞いたところ、数値の大きかったものとして68.7%が「一人でも余暇を楽しめる」、67.6%が「一人で生きる気楽さを感じる」と回答しており、未婚であることを前向きに捉える意識が目立ちました。
・未婚女性のうち81.0%が「結婚しても、自分時間を楽しみたい」、74.6%が「結婚しても一人で生きていける経済状況でありたい」という気持ちがとても/やや当てはまると回答
10-30代の未婚女性に対して、「結婚」に対する気持ちで当てはまる項目を聞いたところ、81.0%が「結婚しても、自分時間を楽しみたい」と回答しました。
また、74.6%が「結婚しても一人で生きていける経済状況でありたい」と回答し、経済的にも独立した状態でありたい人が多いことも分かりました。
3.パートナーや結婚相手に求めること
・パートナーや結婚相手に求めることの上位10項目を見ると、「一緒にいて楽」が69.2%で最上位に。
10-30代の未婚女性に対してパートナーや結婚相手に求めることを聞いたところ、69.2%が「一緒にいて楽」といったような、ありのままの自分でいられるような相手を求めるような回答が多く挙がりました。
さらに、10位内の項目を俯瞰して見ると、59.2%が「きちんと話し合いができる」、51.1%が「金銭感覚が合う」、45.9%が「考え方が似ている」のような、考え方が共通・共有できるようなことを求める回答も多く挙がりました。
4.妊娠・出産に対する意識
・未婚女性のうち「結婚している=妊娠・出産する」とは限らない、産むかどうかは自分で決めたいと回答する人78.5%
10-30代の未婚女性に対して将来の出産に対する意識・価値観を聞いたところ、78.5%が「結婚している=妊娠出産するとは限らない、産むかどうかは自分で決めたい」と回答しました。リプロダクティブ・ライツ(≒自分の身体に関する決定は自分でできる権利だとする考え)が見て取れるのと同時に、「自身のライフプランの決定権は自分にある」と思うのが、今の女性全体の傾向として見て取れます。
企業プレスリリース詳細へ
PR TIMESトップへ

データ提供 PR TIMES
本記事の内容に関するお問い合わせ、または掲載についてのお問い合わせは株式会社 PR TIMES (release_fujitv@prtimes.co.jp)までご連絡ください。また、製品・サービスなどに関するお問い合わせに関しましては、それぞれの発表企業・団体にご連絡ください。