今シーズン、不漁に苦しむシロエビ漁。その影響で富山県射水市の新湊漁港が10日から13日間の休漁を決定した。これは今シーズンですでに3回目となる休漁で、地域の名物を支える道の駅にも大きな波紋が広がっている。

「大変厳しい」冷凍庫のシロエビ半減

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「大変厳しいです。客には申し訳ないけれど値上げさせてもらっている」。道の駅カモンパーク新湊の森悠芙子広報担当は厳しい表情で語る。

この道の駅は、射水市の名産であるシロエビを使った料理や土産物で知られている。特に「シロエビバーガー」やかき揚丼などは多くの観光客や地元住民に親しまれてきた人気メニューだ。通常、繁忙期には1日あたり約4.5キロものシロエビを使用する。

しかし現在、道の駅の冷凍庫に保管されているシロエビはわずか14キロ程度。これは平時の半分の量にすぎない。シロエビの不漁が続く中、仕入れ価格は以前の2倍にまで高騰している状況だ。

名物メニューの価格改定と一部提供中止に

シロエビの不漁と仕入れ価格高騰の影響を受け、道の駅カモンパーク新湊では対応を迫られている。名物のシロエビバーガーは今月から150円の値上げを実施。さらに一部のシロエビを使ったメニューの提供を中止せざるを得ない状況となった。

「今までずっとシロエビを(名物に)やってきたので、(影響は)大きいです」と森担当者は語る。道の駅の看板メニューとして長年親しまれてきたシロエビ料理の存続が危ぶまれる事態となっている。

地域経済への波及効果

新湊漁港の休漁決定は、漁業関係者だけでなく、観光や飲食業など地域経済の広い範囲に影響を及ぼしている。シロエビは富山湾の宝石とも称される地域の重要な水産資源。

道の駅カモンパーク新湊のような観光スポットは、地域の特産品を広く発信する役割も担っている。シロエビの安定供給が難しくなることで、観光客の減少や地域ブランド力の低下といった二次的な影響も懸念される。

富山テレビ
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