京都市でおととし82歳の男性を殺害した罪などに問われている元自衛官の男の裁判員裁判が始まり、男は起訴内容を認めました。

裁判の中で男の動機について、検察側は「中学のころから人を殺した気持ちを味わってみたいと思っていて、これが自衛隊から逃げる口実になると考えた」などと指摘しました。

元自衛官の水島千翔被告(22)は、おととし、京都市東山区のマンションで、住人の岡田好次郎さん(82)の背中を包丁で複数回刺すなどして殺害した罪などに問われています。

11日の初公判で、水島被告は「間違いありません」と起訴内容を認めました。

■検察側 動機について「中学のころから人を殺した気持ちを味わってみたいと思い 自衛隊から逃げる口実になると思った」

検察側は冒頭陳述で動機について、次のように指摘しました。

【検察側の冒頭陳述より】「被告は、訓練の指導を憂鬱に思い、逃げるために口実が欲しいと思っていた。中学のころから人を殺した気持ちを味わってみたいと思い、これは、自衛隊から逃げる口実になると思った」

そして犯行について、「残虐かつ卑劣で、強固な殺意に基づくもので、動機が安易で身勝手」と指摘し、重い刑を求める方針を示しました。


■弁護側も動機について「人を殺すことに興味があり実行すれば仕事ができなくなると考えた」説明

一方、弁護側は冒頭陳述で、「完璧主義者である水島被告は、自衛隊で任された仕事について完璧にこなすことが想像できず、逃げることなく仕事をせずに済む理由が必要だった」と指摘。

その上で、「水島被告には人の死や、人を殺すことに興味があり、人を殺すことを実行すれば、仕事ができなくなると考えた」と動機について説明し、「強い殺意があったか、犯行が計画的であったか、犯行がどれほど悪質なものかなどを考えてほしい」と説明しました。

関西テレビ
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