福島第一原子力発電所で6月10日午前10時前、各号機からの使用済み核燃料を集約している「共用プール」を囲んでいる堰で、水の流入を示す警報が発生した。
東京電力が調べたところ、この「共用プール」から核燃料を引き上げて水抜き作業を行っていたところ、水抜きのためのホースがずれ、床面を伝って側溝に流れてしまった可能性があるという。
東京電力は作業員の身体汚染は確認されておらず、建屋の外への漏えいもないとしている。また、周辺環境への影響も無いという。


福島第一原発では、各号機の使用済み燃料プールに残った核燃料を一度「共用プール」に集約しているが、共用プールの収容量に限界があるため、冷却されたものから順番に別の建物に移動させ、空いた部分に次の核燃料を運び入れている。
核燃料は長い間プールに使ったままの状態になっているため、余分な水を落としてから別の建物に移動させているが、今回トラブルが発生したのはこの作業となる。
核燃料が収納された容器ごと引き上げ、上部にたまった水を、ホースを使って共用プールの中に戻そうとしたところ、何らかの原因でホースがずれ、床面に流れてしまった可能性があるという。

東京電力によると、午前9時50分に警報が鳴り、およそ10分後に現場を確認したところ、鉛筆芯1本分くらいの液体が流れていることを確認。正午以降は数秒間に1滴程度に減少した。
共用プールの水の放射能濃度は1リットルあたり30000ベクレル程度だといい、流れ出た水の総量は現時点で不明。

東京電力は共用プールや周辺の配管などの設備に破損等の異常は確認されていないとしている。

福島テレビ
福島テレビ

福島の最新ニュース、身近な話題、災害や事故の速報などを発信します。