「大正ロマン」の画家・詩人として知られる、竹久夢二。

生誕140年の節目に県水墨美術館で開かれているYUMEJI展。

大正から昭和へ時代が移り変わる中、夢二の創作活動の変化を夢二郷土美術館館長代理、小嶋ひろみさんの案内で辿ります。

「初めて自分で設計したアトリエ兼住居の少年山荘を持ちます。その少年山荘は、夢二の新たな制作の場所となりまして例えば人形の制作を始めたり大正ロマンから昭和に入っていくと昭和モダンの時代に変換していく中で新たな女性像を描き出していったり雑誌での女性の理想像となるような女性像を生み出していくことになるわけであります。」

この時代、夢二の美人画の描き方に変化が見られるようになります。

「ひとつの関東大震災後の夢二の作品にみられるのは、雅号の変化でございます。夢二から夢生というものに変わっておりますけれどもモダンガールと言われるような新しい女性たちが描かれていく一方でトランプをする娘のような舞妓の作品というのも同時に描かれていきますしそれが新しい女性像として見られていくのが夢二式美人の描き方の変化というものも見られていきます。」

新たな世界観を手に入れた夢二は、アメリカとヨーロッパへの外遊を決めます。

当時の作品は多く残っているわけではありませんでした。

「今、奇跡的に残っておりますのが西海岸の裸婦でございます。肌の描き方、それから女性像と背景の関係などが夢二の画家としての新しい表現でございます。外遊後すぐに虚しく結核で1934年に亡くなってしまいます。心の詩を描き出した夢二がどのような時代への警鐘を鳴らしているかも含めて今の私たちに投げかけてくるメッセージがたくさん込められていると思っております。」

大正ロマンを発信し、当時の人々を熱狂させた夢二。

夢二が芸術の世界に残した功績は今も生き続けています。

富山テレビ
富山テレビ

富山の最新ニュース、身近な話題、災害や事故の速報などを発信します。