障害のある人たちに、気兼ねなく過ごしてもらいたい。
都内の動物園で行われたあるイベントに密着しました。

都会にいながらにして、ペンギンやミーアキャットなど、約160種類の動物に出会えると人気の、井の頭自然文化園。

今回開催されたのは、障害のある人とその家族が、閉園後の夜の動物園で自由に過ごすことができるイベント「ドリームナイト・アット・ザ・ズー」です。

動物を見て回るだけではなく、ヤマネコに仮装できたり、モルモットと写真が撮れたりと、さまざまな体験型の企画も楽しめます。

そしてカワウソの展示スペースでは、解説をする飼育係の横に手話のサポートスタッフが。

手話サポート・ほとりさん:
今回、手話通訳がつくから来たという家族もいて、手話通訳がいるから行ってみようと思ってくれたこともよかった。

他にも、感覚に敏感な人のために光や音、匂いなどの情報が書かれた、特別な地図が配られるなど、誰もが安心して楽しめる工夫が満載です。

ヤマネコなどの毛皮や骨に触れるコーナーでは、お父さんと一緒に恐る恐る触る女の子の姿が。
成長がゆっくりな、ダウン症の子どもです。

一緒に来園したお母さんは、今回のイベントを家族にとっても特別なものだと話します。

女の子のお母さん:
走り回っちゃうとか、大きい声でワーって叫んじゃったりとかって、やっぱり障害を持ってる子たちってすごくあると思うけれど、この時間って皆さんが何も気にせず遊べて楽しく過ごせる2時間だな。

障害がある人を動物園に招待するこのイベントは、1996年にオランダで始まったもので、ここ、井の頭自然文化園でも14年前から開催されていています。

井の頭自然文化園・杉野隆園長:
障害を持っている方がなかなか日頃、動物園に来られないということがあり、そういった方をお招きして行おうと始めました。こういったイベントを特別にやらないでも、動物園を利用できるような施設にしていきたい。

今回のイベントには677人が来園。
夜の動物園には、来園者それぞれの楽しそうな姿がありました。