福岡市の住宅街に突如として現れた謎の物体。ハンガーで作られているというその物体の正体とは?

電柱の上に大量のハンガーのかたまり

福岡市城南区。七隈エリアの住民の間で、いま“謎の物体”が話題となっている。「怖いですね」と話す女性や「早く撤去はして頂きたい」と話す男性。住民も怪訝に思うその物体とは一体、何なのか?

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「電柱の上」という住民の話をヒントに記者が周辺を探索。そして「あった、あれか!たくさんのハンガーが、絶妙なバランスで電線の上に乗っかっていますね」とその物体をようやく見つけることができた。

電柱の上にあったのは、大量のハンガーのかたまりだ。大量のハンガーは、複雑に絡み合い確かに異様な光景に見える。

一体、誰が電柱の上なんかにハンガーを置いたのか? 電柱は上るだけで危険だ。近くで何やら作業をしている男性に尋ねると「あれ?あれは、カラスの巣です」とあっさりと教えてくれた。

謎の物体の正体は、大量のハンガーを使って作られたカラスの巣だったのだ。作業員の男性によると「カラスはハンガーを住宅のベランダなどから咥えて持って来ているのではないか」ということだ。

作業員を見詰める可愛い瞳

しかしカラスは、なぜハンガーで巣作りをするのか? 福岡市動物園の動物相談員に尋ねると「カラスは、春になってパートナーを見つけて巣を作ることを繰り返す。針金ハンガーだと工作しやすい。そういうので利用しているみたいですね」とのことだ。

記者が話を聞いた作業員は、ハンガーの巣が電線に絡まると停電などの恐れがあるため、撤去する作業をしていた工事関係者。巣に近付いた作業員は、1本1本、ハンガーを取り外していく。なかなか根気の要る地道な作業のようだ。

しかし、順調に見えていた撤去作業だが、なぜか作業員は途中で作業をする手を止めてしまった。何があったのか?

電柱から降りて来た作業員に話を聞くと「巣に雛がいたので撤去できなかった」と打ち明ける。作業員が目にした巣のなかには、小さな雛がいたという。きっと親の帰りを待っていたのだろう。

さすがにこの姿には、作業員も苦笑い。雛たちが巣立った後に、改めて撤去を試みるという。

(テレビ西日本)

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