大手コンビニでも随意契約の備蓄米の販売が具体化する中で、今後のコメの価格はどうなっていくのでしょうか?現状では「さらに値上がりする」との見方もあります。
ファミリーマートの取り引き先の精米工場に届いた随意契約での政府備蓄米。
1kg360円(税抜き)で6月5日から東京と大阪の店舗で売り出し、6月中の全国展開を目指しています。
また、ローソンは1kg360円(税抜き)と2kg700円(税抜き)で備蓄米の受け取りから1週間で全国展開を。
セブンイレブンは入荷が決まり次第、無洗米にして2kg800円前後(税抜き)で販売する予定です。
備蓄米の販売が全国へと広がるなか気になるのがコメの価格はいつ下がるのか?
静岡県伊豆市で三代続く「森島米店」。
店主の森嶋昭仁さんは備蓄米の効果は限定的だと考えています。
森島米店 店主・森嶋昭仁さん:
備蓄米は全体量に限りがあります。総量で約100万トンともいわれていますが、頑張っても1~2カ月しか持たない量だと思う。中長期的にお米の値段が下がるかと聞かれると下がらないのではないかと思う
さらに収穫時期を迎える秋以降も…。
森島米店 店主・森嶋昭仁さん:
さらに高くなります。なぜなら全体の生産量が増えていかないから
実際にそれを裏付けるような動きもあります。
各地のJAがコメを集荷する際に生産者に前払いする概算金。
その年のコメの流通価格の指標となっています。
非公表のJAも多くありますが、生産量日本一の新潟県をはじめ各地でこの概算金を2024年より3割以上引き上げることを決めています。
では、どうすればコメの価格は下がるのか?
森嶋さんは収穫量を上げるための“農業改革”が必要だと語ります。
森島米店・森嶋昭仁さん:
大きく転換するには20代30代が「農業やる方が儲かる」という世界がくること。 来年・再来年、ここからの10年、高齢のコメ生産者が卒業するタイミングで誰がその後を担うのか、そういう政策が本当に打たれているのか、ここを解決することが“令和の米騒動”の終結だと思う
コメの安定供給に向け今週中にも閣僚会議を設置する方針を示している石破総理。
日本人の主食・コメの農業政策はどこへ向かうのか注目されます。