11億円の経費について関東信越国税局から修正申告を指導されたNST新潟総合テレビは6月4日、酒井昌彦社長が会見で謝罪。「組織的な所得隠しを意図したものではない」と指導に至った経緯を説明しました。
【NST新潟総合テレビ 酒井昌彦 社長】
「今回の修正申告により、大変なご心配・ご面倒をおかけすることを改めてお詫び申し上げます」
NSTの酒井昌彦社長が会見で謝罪したのは、関東信越国税局から修正申告を指導されたことについて。
【NST新潟総合テレビ 酒井昌彦 社長】
「多額の修正申告を国税当局から指摘を受けたということについては、大変深刻に受けとめておりますし、大変申し訳なく思っている」
NSTは2018年からの6年間で、制作会社や代理店に支払った経費11億円が経費と認められず、関東信越国税局の指導に従い、7億900万円を納税しています。
【NST新潟総合テレビ 酒井昌彦 社長】
「支払った制作費が元社員の親族名義の会社に流れたことで経費として認められなかったということです」
制作費は元社員の親族名義の会社に流れていて「組織的な所得隠しを意図したものではない」とするNSTに対して、報道陣が問いただしたのは資金の流れについてです。
【記者】
「会社への資金の還流だとか、それを使った広告会社への接待というところが指摘されているが、否定されるのか」
【NST新潟総合テレビ 酒井昌彦 社長】
「元社員の親族名義の会社を通じてNSTに戻ってきているという指摘だとは思うが、そういったことは一切ございません。会社への資金の流れというものは全くございません」
【記者】
「広告会社の接待に使われたということについては否定しない?」
【NST新潟総合テレビ 酒井昌彦 社長】
「元社員が一個人として接待等していた可能性はあろうかと思う」
元社員とは代理人を交え話し合いを行っていますが、元社員の親族名義の会社に流れた資金がその後、どのような目的で使用されたのかは明らかになっていません。
そして、質問が相次いだのは…
【記者】
「6年間、なぜ周囲が把握できなかったのか」
「昨年8月まで見抜けなかった、把握できなかったということについてどう考えているのか」
去年8月に税務調査が始まるまで事態を把握できていなかったことについて…
【NST新潟総合テレビ 酒井昌彦 社長】
「管理的な部分も含めてガバナンスがきいていなかったと思います。社としての責任は感じている」
こうした事態を防ぐため、NSTは経理を含め、制作物について申請から放送までのチェック体制を強化するなどして再発防止に努めるとしています。
【NST新潟総合テレビ 酒井昌彦 社長】
「これから社員一同、またコンプライアンス・ガバナンスをしっかりと整えながら、放送事業を続けてまいりたいと思っています」