佐々町の官製談合事件をめぐり、前の町長・古庄剛被告の裁判が長崎地裁で始まりました。

裁判は即日結審し、検察側は懲役1年6カ月を求刑しました。

官製談合防止法違反と公契約関係競売入札妨害の罪に問われているのは、前の佐々町長で無職の古庄剛被告(78)です。

起訴状などによりますと、古庄被告は土木建設を請け負う事業所の営業本部長だった山口情二被告(62)と共謀し、2024年6月と7月に行われた町営団地の給水管工事や図書館の照明LED化工事の指名競争入札で、あわせて2つの事業者に最低制限価格に近い金額を教え入札の公平を妨害しました。

4日に長崎地裁で開かれた初公判で2人は「間違いありません」と起訴内容を認めました。

検察側は、古庄被告が4年前の2021年ごろに山口被告と知り合い、「最低制限価格を教えるよう頼まれるようになった」と指摘しました。

そして、2022年から2024年にかけて、少なくとも7件の入札で山口被告に電話で最低制限価格に近い金額を漏らしたことを明らかにしました。

この後の被告人質問で、古庄被告は犯行の動機について「『町内の事業者に仕事をまんべんなく回す』と山口被告から言われ、『町内の経済が回ると思った』」と述べました。

検察側は「常習性が認められる」などとして、古庄被告ら2人に懲役1年6カ月を求刑しました。

一方、弁護側は「私利私欲によるものではない」などと説明し、執行猶予つきの判決を求めました。

判決は7月10日に言い渡されます。

テレビ長崎
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