ゲーム感覚で遊べるオンラインカジノ

「オンラインカジノ」

スポーツ選手やお笑い芸人が『賭博』容疑で書類送検されたニュースを聞いて、知った人も多いのではないだろうか。

スマホで手軽にアクセスでき、ゲーム感覚で遊べるオンラインカジノだが、それ、『違法』なのだ。

それ『違法』
それ『違法』
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愛媛の会社役員が暗号資産を賭けた疑いで書類送検

オンラインカジノ利用者の検挙は都市部の一部の人たちだけのこと?

県警生活環境課・兵藤仁警部:
「(愛媛)県内においては令和6年中に、オンラインカジノを利用していた賭客1名を、検挙しているところでございます。」

実は県内でも2024年11月、50代の会社役員が海外のオンラインカジノで暗号資産を賭けた疑いで、書類送検されていたことがわかった。

県警によりますと、この会社役員は2023年1月から8月にかけスマホを使って、195回に渡り暗号資産を賭けていた。

都市部の人だけではない
都市部の人だけではない

インターネットにアクセスできる環境があれば、簡単にたどり着ける

60代男性:
「ゲーム感覚でお金をかけてやって違法行為やからね。(子供に)そんなんされたら困るね。のめりこまれても悲しい。」

「オンラインカジノ」のサイトは、スマホなどインターネットにアクセスできる環境があれば、簡単にたどり着ける。

実際「オンラインカジノ」と入力し、検索するとスロットゲームやカードゲームなどで、金を賭けて遊べるサイトが幾つもヒットする。

スロットゲームやカードゲームなど金を賭けて遊べるサイトがヒット
スロットゲームやカードゲームなど金を賭けて遊べるサイトがヒット

ネットで簡単にのぞける

ネット上の犯罪を取り締まる県警の担当者と一緒に、これらのサイトをのぞいてみた。

青木稜悟記者:
「こちらのオンラインカジノのサイト。ルーレットやブラックジャック、様々なゲームの種類があります。実際にプレイしようとして入金しようとすると違法になってしまうんですよね。」

県警生活環境課・兵藤仁警部:
「入金をして実際にプレイをすると、違法な行為となってしまいます。」

プレイしようと入金すると違法
プレイしようと入金すると違法

サイトにアクセスは問題ないが入金した段階で“違法行為”

日本国内からこれらのサイトにアクセスし、内容を見たり会員登録したりするのは特に問題ない。お金や暗号資産を入金し賭けた段階で、“『賭博』の違法行為”になってしまう。

また、これらのサイトには利用者を惑わす罠がある。
4000種類を超えるゲームはルールも簡単で、遊び感覚で気軽に手を出してしまう。さらに『日本語』で「今すぐ入金して、引き続きゲームを楽しんじゃいましょう」と書かれている。

県警生活環境課・兵藤仁警部:
「日本語で書かれると、日本人でも日本国内からアクセスして賭博行為を行ってもいいような感覚になる。サイトには『日本から利用してはダメ』というような注意事項は、書かれてはいません。」

遊び感覚で気軽に手を出してしまう
遊び感覚で気軽に手を出してしまう

利用した人は推定で約336万人

警察庁が委託した民間リサーチ会社による調査では、国内でオンラインカジノを利用したことがある人は、推計で約336万人。

1人あたりの賭け金は、月5万2000円に上ると推計されている。

これほど利用者が多い背景にあると考えられるのは、“違法性の認識の薄さ”だ。調査でも違法性を「認識していなかった」と答えた人は、4割近くに上った。

違法性の認識の薄さ
違法性の認識の薄さ

あわや利用しそうになった人も

20代女性:
「(オンラインカジノの違法性など)あんまり知らないですね。わからない人にはわからないから、知らずに入っちゃうというのが怖いよね。」

10代女性:
「ちゃんと考えたらギャンブル系なので違法なのかなという感じですけど、(違法性の認識が)浸透していない気がします。」

中には、あわや利用しそうになったという人も。

20代男性:
「家で(ギャンブルが)できるのかなと広告で見て気になって、(違法だと)知らずにでしたね。調べたら『違法』みたいに書いていたのでやめとこうみたいな。」

ギャンブルができるのかな
ギャンブルができるのかな

日本国内で金を賭けるのは『単純賭博罪』

日本国内で、オンラインカジノで金を賭けるのは、『単純賭博罪』。

罰則は50万円以下の罰金または科料で、常習性が認められる場合は3年以下の拘禁刑が科される。

愛媛で初めて検挙された会社役員も、裁判所から罰金の略式命令を受けている。

罰則は50万円以下の罰金または科料
罰則は50万円以下の罰金または科料

オンラインカジノその先に潜む危険性とは

ゲーム感覚で手を出してしまいがちなオンラインカジノ。その先に潜む危険性とは。

松山市の人間環境大学で、ギャンブルやゲーム依存症などを研究する横光健吾講師は、まさに依存症特有の経済的問題を指摘する。

人間環境大学総合心理学・横光健吾講師:
「オンラインカジノをコントロールできなくて、経済的に苦しくなって、数百万とかそれ以上の単位で借金をする、そういった方というのはいらっしゃったりします。」

オンラインカジノは、支払いも含め全てオンライン上で完結するため、実際にお金を使っている感覚や借金をしている感覚が湧きづらいという。

実際にお金を使っている感覚や借金をしている感覚が湧きづらい
実際にお金を使っている感覚や借金をしている感覚が湧きづらい

若者はオンラインカジノのリスクが高い

さらに店舗型のカジノと比べてゲームの回転率が速く、より多くの金額を使ってしまう傾向があるという。

人間環境大学総合心理学・横光健吾講師:
「やればやるほどお金っていうのは少なくなっていきますので、借金について考えたりとか気分的に落ちたりはするのかなと。」

特に社会的経験が少ない若者は違法性の認識や責任感、自制心などが十分でないため、スマホで手軽に利用でき、親など身近な大人の目も届きにくい、オンラインカジノのリスクが高いと懸念されている。

より多くの金額を使ってしまう傾向がある
より多くの金額を使ってしまう傾向がある

オンラインカジノは『違法である』

人間環境大学総合心理学・横光健吾講師:
「オンラインカジノというのがきちんと『違法である』と知られることが、まず情報をちゃんと収集することが自分のブレーキをかける1つかなと思いますね。」

県警は若者を対象にしたチラシを作成したり、大学や専門学校に啓発メールを送ったりするなど、知らず知らず『犯罪』に手を染めないよう対策を強化している。

知らず知らず『犯罪』に手を染めないように
知らず知らず『犯罪』に手を染めないように
テレビ愛媛
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