環境保護団体「グリーンピース」の活動家が、フランス・パリの美術館からマクロン大統領のろう人形を盗み出し、ロシア大使館前で横断幕とともに展示する身勝手な行動に出た。活動家はロシアとの貿易を続けるマクロン政権を批判。「借りたもので、いずれ返す」と主張している。
活動家が「ろう人形」窃盗…政府に抗議
フランスのマクロン大統領のろう人形が飾られた美術館の一室。
そこへ複数の人物が現れ、マクロン氏のろう人形を盗み出した。

窃盗団の正体は環境保護団体「グリーンピース」の活動家だ。

次に彼らが現れたのは、パリ市内にあるロシア大使館前。
ここに盗んだマクロン氏のろう人形を展示し、フランス政府に抗議する横断幕などを掲げたのだ。

グリーンピースの活動家は「我々はフランス政府が戦争解決や環境転換の推進よりも、ロシアとの経済的な貿易を優先していると考えています。これにより何十億ユーロにも上る戦争のための資金をロシアに提供し続けています。これはささいな問題ではありません」と話した。
美術館は身勝手な行動で被害
ウクライナ侵攻を続けるロシアを非難するとともに、ロシアとの貿易を続けるマクロン政権を批判した活動家。

その身勝手な行動によって被害者となったのが、パリ市内にあるグレバン美術館だ。

人気観光スポットであるこの美術館には、アメリカのトランプ大統領や前のローマ教皇・フランシスコなど、有名人のろう人形が220体以上展示されている。

担当者は活動家たちによる“マクロン氏誘拐”について、「1人が警備員の注意を引きつけ、残りの3人がマクロン大統領を奪って非常口から逃げました」と説明した。

男らは客を装い美術館に侵入し、その様子を撮影しながら犯行に及んだのだ。

リヨンからの観光客は「残念です。大統領を見られれば良かったのに…」と話した。

今回盗まれたマクロン氏のろう人形について、現地メディアは約650万円の価値があると報道。

そのろう人形に関して、グリーンピースは「借りたもので、いずれ返す」と主張している。
(「イット!」 6月3日放送より)