山口県の下関港を母港とする捕鯨母船「関鯨丸」がオホーツク海で捕獲したナガスクジラの生肉が3日、福岡市の鮮魚市場で競りにかけられました。
希少部位の「尾の身」は、最高値で1キロ3万円で競り落とされました。
3日午前3時に福岡市中央卸売市場で始まった競り。
取引されていたのはー
◆記者リポート
「こちら、きれいな赤身肉がずらーっと並んでいます。ナガスクジラの赤身肉です」
福岡市の鮮魚市場に並んだのは、商業捕鯨船の「関鯨丸」が6月2日に仙台塩釜港で水揚げしたナガスクジラの生肉、あわせて100キロです。
ナガスクジラが流通するのは実に半世紀ぶりのことです。
日本で伝統的に行われてきたクジラ漁。
国際的な批判などを受け、一時は商業捕鯨を中断していましたが、2019年に再開し、ミンククジラ・ニタリクジラ・イワシクジラの3種類を捕獲対象としてきました。
そして北西太平洋・オホーツク海での豊富な資源量が確認されたことから、水産庁は去年、新たな捕鯨対象としてナガスクジラを加えました。
生肉の取引は福岡で初めてとなった3日の競り。
尾びれに近い希少部位の「尾の身」は最高値1キロあたり3万円で競り落とされました。
◆ゆたか水産 鮮魚事業部 谷崎広樹 部長
「損するかもしれない。それでも誰かが喜んでくれるならいいかな」
最高峰の味とも称されるナガスクジラの生肉。
そのお味は?
◆記者リポート
「全く臭みやクセもなくて、肉と魚のいいとこ取りをしたようなおいしさです」
競り落とされたナガスクジラの生肉は、おもに福岡市内の飲食店に届けられるということです。
なお、今回のナガスクジラの生肉は、福岡のほか、仙台、下関、札幌、東京・豊洲、大阪の各市場にも搬送されたということです。