兵庫県の斎藤知事の疑惑をめぐり告発者の私的な情報を当時の総務部長が外部に漏洩し県が停職3カ月の処分にしたことを受け、知事とともに「指示していた可能性が高い」と指摘されていた片山前副知事が代理人を通じてコメントを出しました。

総務部長の行為は「漏えいに当たらず懲戒処分はおかしい」と第三者委員会や県の対応に疑問を呈しました。

斎藤知事の疑惑を告発した元県民局長の私的情報が外部に漏えいした問題で、この問題を調べていた県の第三者委員会は、斎藤知事の最側近だった当時の総務部長が3人の県議に私的情報を漏えいしていたと認定しました。

報告書によると、この漏えいについて当時の総務部長は「知事や前副知事の指示によるもの」と第三者委員会に説明していたということです。

県は停職3カ月の懲戒処分としましたが、当時の総務部長は「執行停止の申し立てを行い正当性を主張する」とコメントしています。

■「当時の総務部長が漏えい」認定について 片山前副知事がコメント

この件に関して片山前副知事は3日コメントを発表しました。

その中で、第三者委員会の漏えいの認定に対して、「『秘密を漏えいした』と認定されていますが、これは必要かつ相当な範囲の議会根回しであり、総務部長の適正な業務であることから見解を異にする」と指摘。

「議会根回しは県政運営の円滑化のために、県議会の一定の役職にある県議に対して、県議も公務の内であるという考えのもと、必要かつ相当な範囲で情報を共有するもので、文書問題が過熱する様相を呈していたことから告発文書の内容や背景事情を情報共有しておくことは相当」と説明しました。

また「『広く一般に知らしめる行為』であったかの検証、評価について、『3人の県議に漏洩』という内容に限定され、情報の伝播について解明されておらず非常に疑問に思っている」と訴えました。

■「元総務部長の行為は何ら問題なく懲戒処分の対象にはならない」

当時の総務部長が漏えいさせた目的については、「告発文に記載されている内容は別の第三者委員会の調査でほぼすべてが事実と異なっており、元総務部長には告発者を貶める必要性は認められません」と主張。

知事の指示については「知事は個別具体の指示をしたのではなく、議会根回しを包括的に了解したものと受け止めていた」と説明しました。

その上で、当時の総務部長への県の懲戒処分については「元総務部長の行為は何ら問題なく、懲戒処分の対象にはならない。不服申し立て・執行停止は当然と考えている」と自身の考えを示しました。

そして「『告発文の意図が不正な目的であること』など県人事当局の評価が十分にされていない可能性がある」「別の漏えい案件があるにも関わらず元総務部長のみを取り上げ先に懲戒処分を行うのはおかしい」と主張しました。

■斎藤知事は「漏えい」認め「管理責任受け止める」と減給処分の条例案提出へ

斎藤知事は漏えいの指示については否定していますが、漏えいがあったことについては、「組織の長として県保有の管理責任を重く受け止める」として自身の減給処分を検討していました。

そしてきょう=3日から始まった兵庫県議会に、現在すでに30パーセントカットとしている給与を「来月から3カ月50パーセントカット」とする条例案を提出する方針です。

関西テレビ
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