袋井市に住む男子高校生に暴行を加えてケガをさせた上、車のトランク内に監禁し、浜名湖に投げ捨て溺死させた罪に問われている22歳の男の裁判員裁判が6月2日から始まり、男は起訴内容を認めました。
傷害・監禁・殺人の罪で起訴されているのは浜松市に住む無職の男(22)です。
男は2024年2月、当時18歳だった男と共に袋井市に住む男子高校生(当時18)に暴行を加えてケガをさせた上、車のトランク内に監禁し、浜名湖に投げ捨て溺死させた罪に問われています。
6月2日の初公判で、男は静岡地裁浜松支部の来司直美 裁判長から起訴内容に間違いがないか問われると「はい」と答えました。
続いて明らかになったのは事件に至った経緯や凄惨な犯行の内容です。
検察側の冒頭陳述によると、男と共犯の男は事件当日まで被害に遭った男子高校生と面識がありませんでした。
こうした中、知人宅で男子高校生を含む8人で酒を飲んでいた際、男子高校生が年上である共犯の男に敬語を使わずに話しかけ、注意されたにも関わらず、その後も“タメ口”で話し続けたことから共犯の男は「殴りたい」などと怒りを増幅させたといいます。
その後、男子高校生がその場にいた男の知人と口論になり、止めに入った女性を倒したことから共犯の男が男子高校生に暴行を加え、男も加勢するに至りました。
検察側の指摘に基づくと、男は共犯の男とリビングで共に男子高校生の頭や顔、体などを何度も拳で殴ったり足で蹴ったりしたほか、駐車場で髪の毛をつかんで引きずり、その上で共犯の男がレンチで男子高校生の体を殴った上に頭をコンクリート製の輪留めに打ち付けたと見られています。
このため、検察側は「年下の被害者がタメ口を使ったことに腹を立てた上での犯行は身勝手で悪質。短絡的な動機で酌量すべき点はない」と述べましたが、弁護側はいずれの罪についても「共犯の男に頼まれた上での犯行で、浜名湖近くの川に転落させることも反対していた。積極的な殺意は認められない」と主張しました。
今後、被告人質問などが行われた上で6月13日に判決が言い渡される予定となっています。