5月27日、タイと隣接するカンボジアのポイペトに作られた特殊詐欺の拠点で20人以上の日本人が拘束されました。今回摘発された特殊詐欺拠点の周辺から、FNNバンコク支局・杉村祐太朗記者が中継でお伝えします。
後ろに高い塀がありますが、その奥に特殊詐欺が行われていたとみられる建物が見えます。建物の中を見てみますと、人の気配は感じられません。ただ29日に敷地内を見た際には、高級車が何台も止まっていたり、建物の工事をしている人の姿が確認できるなど、摘発されてからも活動が一部続けられている可能性も考えられます。
地元住民に話を聞くと「日本人は見たことない」「ここで日本人が詐欺をしていたなんて怖い」などと、一様に驚きを見せていて、この拠点がかなり閉鎖的であったことがうかがえます。
――ポイペトはタイとの国境に面していますが、ここに犯罪拠点があるのは何か理由がありますか？
犯罪組織は元々大型のカジノ施設などを間借りして拠点化し、犯罪行為を行っていました。カジノ事業は外貨を稼ぐのが大きな目的なので、海外の客が来やすいように国境地帯に作ることが多いんです。ポイペトでは国境地帯にカンボジア資本のカジノが立ち並んでいますが、近年は中国からの投資が活発化し、街が急速に発展しています。一方で、犯罪組織も流入し、治安が悪化しています。街中では警備員が周囲を監視している建物も多く、異様な雰囲気を感じました。
