頭が締め付けられたり、脈を打つような痛み…こうした頭痛の症状が出た際、つい市販薬に頼ってしまいがちだが、自己判断で解決しようとすると、かえって悪化させてしまうケースもある。適切な予防法と最新の治療薬を医師に聞いた。
『緊張型頭痛』と『片頭痛』 その特徴は?
「月に1回、1日以上でも耐えがたいような痛みが毎月来るような方は、やはり病院に相談されたほうがいい」
こう話すのは、本田脳神経外科クリニックの本田吉穂医師だ。そもそも疾患が原因ではない頭痛の中には、代表的なものが2つあるという。

一つは『緊張型頭痛』。肩や首のこりが強くなり、頭が締め付けられるような痛みが特徴の頭痛で、痛みの程度は軽度から中等度。有病率は2割ほどと言われている。
そして、もう一つが『片頭痛』だ。
本田医師は「大体、数時間から3日以内くらいの頭痛が月に1、2回。あるいはそれ以上起きてきて、典型的な方だと脈を打つような、ずきんずきんというような頭痛が起きる。しばしば頭が痛くなると、まぶしい光が嫌だから部屋を暗くする、音が響くと嫌だから音を静かにして、テレビを切って、暗くて静かなところでじーっとしていると楽になるというのが典型的な片頭痛」と説明する。

緊張型頭痛に比べて有病率は低いが、痛みの程度が重く、嘔吐などの頭痛以外の症状が出ることもある片頭痛。
そのほか、頭が痛くなる前に視野の一部がぼやけたり、ぎざぎざとした光が見えるなどの前兆現象があるのも片頭痛の特徴だ。
市販薬を飲み過ぎてしまうと「慢性的な頭痛に」
頭痛が起きた際、病院に行かずに市販薬で痛みを抑えようとする人も多いかと思うが、薬を飲んだからといって安心していると、さらに深刻な頭痛を引き起こす恐れがある。

本田医師は「自分で判断して一番怖いのが、薬の飲み過ぎ頭痛。治ると思って月の15日以上、月の半分以上、2日に1回、頭痛薬でごまかしていると、だんだんその片頭痛が慢性化してしまう。ひどい頭痛ではなくて、慢性的な軽い頭痛になってくる」と警鐘を鳴らす。
慢性化した状態になると、頭痛の頻度が増えたり、痛みに敏感になってしまったりして、病院にかかったとしても以前よりも治りづらい状態になっていることが多いという。
根本的解決へ一度受診を!最新の治療薬は?
自己判断ではなく、一度病院で診てもらうことで適切な方法を知ることが重要だと話す本田医師。それでも治らない場合には、ある最新の治療薬が効果的だという。
「3年ほど前に出た、CGRPという物質を抑えて頭痛を抑制しようという注射薬」
CGRPとは、片頭痛の原因として有力視されている物質のこと。そのCGRPを抑制するための治療薬として効果的だと言われているのが3種類の注射薬。

腕やお腹・太ももに当ててボタンを押すだけで自動的に針から薬液が出てくる仕組みだ。
打つ頻度は月に1度。2、3回目までは病院で打ち、その後は患者自身で打てるようにデザインされている。

つい自己判断で解決しようとしてしまいがちな頭痛の症状。
根本的な解決のためには、きちんと医師に相談し、自分に合った治療法を見つけることが重要だと本田医師は強調する。
「頭痛持ちの方は自己流に治療しないで、一度は片頭痛を見てくれる医療機関を受診していただきたいなと思う」
(NST新潟総合テレビ)