岩手県北上市の東北自動車道北上江釣子インターチェンジ近くで、1頭のクマが商業施設付近の茂みに現れ、約7時間にわたって居座った。市はハチミツを使ってクマを静かにおびき出す作戦に出たが、クマはハチミツをなめた後、捕獲用のおりには入らずに南側の川の方向へ走り去った。翌日も市内で複数の目撃情報があり、同一個体の可能性も指摘されている。
商業施設近くに7時間居座ったクマ
5月28日午後2時半ごろ、北上市の東北自動車道北上江釣子インターチェンジ近くの茂みに1頭のクマが姿を現した。

成獣とみられるこのクマは、商業施設の向かいにあるフェンスに囲まれたのり面に長時間とどまり続けた。

付近の住民は「出歩きができないのは不安。住宅やアパートも多いので、早く何とかしてほしいというのはある」と不安な様子を語った。
麻酔銃使用を断念し「ハチミツ作戦」
現場には獣医師が駆けつけたが、麻酔銃の使用については慎重な判断が下された。
麻酔が効くまでの間にクマが暴れてフェンスを乗り越える危険性があると判断されたためだ。

そのため市では捕獲用のわなを仕掛けた上で、発見から7時間後の午後9時半ごろに新たな作戦に出た。
フェンスの外側にハチミツを塗り、クマを静かにおびき出そうとしたのである。

するとまもなく、クマはフェンスを乗り越えてハチミツをなめ回した。しかし、期待していた捕獲用のおりには入らず、南にある川の方向へと走り去ってしまった。
連日の目撃情報で警戒続く
一夜明けた29日も、北上市内ではクマの目撃情報が相次いだ。午前6時ごろには北上市滑田で、午後0時半ごろには北上市上江釣子でクマが目撃されている。

市と警察は、これらが28日に商業施設付近に現れた同じ個体である可能性もあるとして、地域住民に注意を呼びかけている。
(岩手めんこいテレビ)
この記事に載せきれなかった画像を一覧でご覧いただけます。
ギャラリーページはこちら(13枚)