庄内浜の夏の味覚の話題。遊佐町で特産の天然岩ガキ漁が始まり、港には風物詩の「あの音」が響いた。
「コンコンコン…」
カキの殻を叩く「カキたたき」の音。
カキについた余分な殻や藻を包丁やナタでこそぎ落して商品価値を高める作業で、水揚げした直後に行うため、付近には強い磯の香りが漂う。
5月21日に岩ガキ漁が解禁された遊佐町の吹浦漁港では、朝に出航し、素潜り漁を終えて船が戻った午前中に作業が行われ、この時期の「風物詩」となっている。
資源保護のため、水揚げできるのは漁師1人あたり1日約50キロまでと制限されていて、中でも吹浦沖で採れるものは鳥海山から流れる伏流水の豊富なミネラル分で、濃厚でクリーミーな味わいに育つと言われる。
漁協によると、2024年は15トンの水揚げがあったということで、29日に水揚げされたものは30日朝のセリにかけられ、ほとんどが県内に出荷されるという。
(漁師・栄田俊輔さん)
「身の入りは良さそうな感じがしている」
(手伝いの元漁師・鈴木博二さん)
「6月に入ったらだんだん濃厚な味わいが出てくる。ここでしか食べられない。(Q.ぜひ食べてもらいたいですね?)そう。」
漁は7月がピークで、おいしい時期は8月いっぱいまで続く。