東北財務局は、不正融資などを行い、それを長期間隠ぺいしてきたいわき信用組合に業務改善命令を発出した。
いわき信用組合は大口融資先の資金繰り支援のために不適切な融資を行っていたことを2024年11月に公表。これを受けて東北財務局が、いわき信用組合への聞き取りを含めた検証を行ったところ、事業実態のない企業を通じた迂回融資や、預金者の名義を勝手に使って開設した複数の口座を通じた不正融資を実行していたことが発覚。
また、元職員の横領による損失を、これらの不正融資で補填していたことを長期にわたって隠ぺいしたいたことも発覚し、2025年5月29日付で業務改善命令を発出した。
東北財務局によると、いわき信用組合は、秘密裏に融資を管理する役員を歴代引き継ぐなどして隠ぺいを継続。
「前会長が絶対的な存在となっていた。ガバナンスが機能していない。組織全体に遵法精神が根付いていない」などと指摘したうえで、6月30日までに経営責任の明確化や真相究明などの業務改善計画を提出し、その後3か月ごとに進捗を報告するよう求めた。
いわき信用組合は、「経営管理体制を刷新し、健全かつ適切な業務運営を行っていく」などとコメントし、一連の不祥事をめぐっては、5月30日に第三者委員会が会見を開く予定となっている。
