長野県上田市の旅館でノロウイルスによる食中毒が発生したことがわかりました。この旅館で調理、提供された食事を食べた中学生ら36人が発熱、下痢などの症状を訴えたということです。

ノロウイルスによる食中毒が発生したのは、上田市菅平高原の旅館です。

長野県健康福祉部によりますと、5月20日午後4時半頃、医療機関から「5月17日から18日までに上田市の宿泊施設を利用した者が胃腸炎の症状を呈し、受診した。他にも同様の症状を呈した者がいるようだ」という旨の連絡が伊那保健所にありました。

患者は17日から18日までに旅館で調理、提供された食事を食べた県内の中学生や引率していた関係者など36人が18日午前7時半頃から、発熱、下痢、嘔吐などの症状を訴えました。

県環境保全研究所などが検査した結果、患者と調理従事者の便からノロウイルスが検出されました。

上田保健所は、この旅館を食中毒の原因施設と断定し、調理部門に5月28日から30日まで3日間の営業停止を命じました。

県健康福祉部によりますと、患者の中学生らは部活動の遠征で旅館を利用していたということです。

患者は全員、快方に向かっています。

【患者へ提供されたメニュー】
17 日:
(夕食)バンバンジー、ごまだれ豚しゃぶ、シューマイ、アジフライ、水餃子、
マカロニサラダ、レタス、もやし、プリン、ご飯、味噌汁、水 など

18 日:
(朝食)ロースハム、プレーンオムレツ、ちくわ磯辺揚げ、ポテトサラダ、肉団子、野沢菜、オレンジ、リンゴ、ご飯、牛乳、水 など
(昼食)ヒレカツ、ハンバーグ、ウインナー、大学芋、厚焼き玉子、
キャベツマリネ、ミニトマト、つぼ漬け、小梅、ご飯 など

■特徴、症状、予防方法は

【ノロウイルスによる食中毒とは 】(長野県の資料より)
■特徴
ノロウイルスによる食中毒は、主にノロウイルスに感染したヒトを介してウイルスに汚染された食品や、ノロウイルスが蓄積した二枚貝を「生」や「加熱不足」で食べることによって起こります。また、このウイルスの感染力は非常に強く、食品を介さなくてもヒトからヒトへ容易に感染します。

■症状
1~2日の潜伏期間を経た後、下痢、嘔吐、吐き気、発熱などを起こします。かぜとよく似た症状がみられる場合もあります。通常は発症してから1~2日で症状は治まりますが、小さなお子さんやお年寄りは脱水症状を起こす可能性がありますので、おかしいなと思ったら早めに医療機関を受診してください。

■予防方法
・外から帰った時、トイレの後、調理の前、食事の前には、石けんで手を十分に洗いましょう。
・トイレに入る際は、衣服を汚さないように上着を脱ぐか、袖口をまくりましょう。
加熱して調理する料理は、中心部まで十分に加熱しましょう。
・まな板、包丁、ふきんなどはよく洗い、熱湯や塩素系漂白剤で殺菌して使いましょう。
・下痢、嘔吐、腹痛、発熱などの症状がある時は、調理に従事しないようにしましょう。
・患者の嘔吐物などを処理する時は、マスクを着用し、使い捨ての手袋を使って片付けた後、塩素剤で消毒を行い、汚染が広がらないよう十分に注意しましょう。
・発症者の便には多量のウイルスが含まれますが、症状が治まった後もしばらくの間はウイルスが排出されますので注意しましょう。

長野放送
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